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再び音と意味の対応について

2019年06月23日 09時15分48秒 | 心を創っている物とはなにか?(分子遺伝情報と心の情報理論)
「再び音と意味の対応について」
 地球惑星科学に於ける太陽系理論の帰結する所は、太陽系の創生過程での経過時間は、45億年~55億年の時間的過去を持つが、あと太陽自体のエネルギー持続時間は50億年と目されている。それは恒星である太陽系の核反応の燃料の残量問題が活動期間の時間を決めることになる。
この様にして、延々と惑星進化の46億年を経過する中で生命体が生まれ、その生命体の全貌は未だに謎の闇に包まれてはいるが、ここ現在に至るに及び、現状では人間が変化の頂点にある。

宇宙論的な意味からすれば、人間の特徴は互いに個体間の情報を交換する術を持つという事である。そんなことは当たり前だろうという方も、大勢居られる事であろうが、人間に限らず個体間の情報交換は、凡そ昆虫でも行って居る。それはもっと古く、魚や両生類でも樹木間でも、それは可能だ。過去の時点で一つの真核生物が誕生した際にすでに意味場という空間の場が、その情報交換を可能にさせている。こう言う空想は、今の時点では実に馬鹿げた事のように思えるかも知れない。人間に於けるこの様な情報交換の現象を考えて見よう。

人間は声帯の発する音声という音波波動を使い、音波に依る交信手段を大昔から確立した。だが声としての音波は飽くまでも媒体なのである。意味情報を載せる車に他ならない。言葉とは人間に取って一番身近な手段であり、然も誰しも苦労もせずに意志を伝える手段であるにも拘らず、いま以て、その現象の意味を解く事が儘成らない一つの根本的な現象なのである。この様に空気の振動を使い、自らの心という意思を交感する道具が、言葉なのであり、自然な対象であるコトバは、その習得と内的サイクルの問題からも、幾つかの解かれない問題に直面して居る。コトバは恣意的て実に曖昧なものだが、それでもその機能が確固とした物である事、しかも例えようもなく重要な役割をもっている。

 音と意味について、その対応を深く知ることが不可欠だ。集団生活をする人間の特徴は各個体間の交信であり、その為の声帯を使った音波動が媒体に成る。或る意識を意志を音波動に乗せて交信する。謂わばコトバという機能だが、この簡単な現象に見える一連の作動環境が確かめられていない。音は人間活動に於いては、電波と同じで意味と文字をつなぐ役割を持って居る。或る意味で音が重要な役割をして居るのは、音によって意味と意味をつなぐ役割をして居るからで、聴覚が不自由な場合は、個体間の交信に大きな障害を創ることになる。一旦形成された言語体系は、その民族と不可分の関係に成り、様々な文化の創造も伝統の継承も、この言語体系に係わるものだ。

さて、ひとは言葉の探究の目的がどこにあるか?を明確に認識すべきなのだろう。知力という物は言葉とは別の場所で創生されるが、コトバはその知力の質的な構造を規定する媒体である。言葉の特質には表裏が或る。表の部分は通信としての媒体で音声を基盤にして居るが、裏の方はというと内語というか、一種のイメージを基盤にして居る。ここの相互作用が個人の言語の発達に大きな影響力をもっている。そして、いずれは言葉は数的概念と対応するようになる。ある音声から意味が導出、導入されるのは、この内部での相互作用が大きく関係して居る。ことばという最も基本的な機能が、いまだに謎に満ちている原因は、言語学が求めている目標が、不明確であるからなのだ。

この不明確な部分を出来るだけ明らかに、確固たる対象として提示してみると、人間の言葉の獲得過程は是は言語にも人種にも必然性は無く、或る意味では平等である。ただ言語環境が異なる事に因り、その言語がもたらす、ひとつの思考力、想像力、理解力に、対して心性という物の差異が出るだけだ。私も結論は出て居ないので、むしろ、問題の提出と解釈の過程を思考実験して居るわけだ。
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