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右腕の育て方《なぜ社員は成長する事をやめているのか?》

2022-04-06 08:05:40 | 組織風土
右腕の育て方
3. なぜ社員は成長する事をやめているのか?

今回のブログは、どの組織でも当てはまることです。
最近の社会の閉塞感も含め、なぜという問いを立てて考察して行きたいと思います。
本日もお付き合いいただきありがとうございます。

『なぜ社員は成長する事をやめているのか?』
これは相手に矢印を向けている最たる例とも言えるのですが、今回はこの課題にあえて向き合って行きます。

本来、人は他人の役に立ちたいし、その為には、様々な事を知っていたいし、もっと深く知りたいという知識欲が高まります。そのこと自体は、成長欲求と言えます。

しかし、昨今この成長の範囲を限定的にとらえていたり、利己的にしか活用しない考え方が増えて来ているという声が残念ながら増えています。

いくつかの理由があると思いますが、私は個々の働く意識に着目しています。
そもそも会社に帰属するのが日本の働き方です。
しかし欧米は違います。
仕事に帰属するのが彼らです。

最近の評価制度を見ていると、欧米式の評価制度を導入しようとする企業が増えて来ました。メディアでもそうするべきという風潮が散見されています。
でもそもそも会社に帰属させるのが日本式であれば、それは間違っています。
語弊無く言えば、日本のそれは仕事自体のステータスを高めて行きたいと考えられる環境に無く、会社をどう成長させるかを一緒に考えられる経営者感覚の社員を望む傾向にもありますが、それも無理な注文ですね。
仕事のステータスを高めて行くのであればよりグルーバルな組織に属する必要があります。

スポーツの世界に例えれば分かりやすいと思います。
例えば、皆さんがJリーガーになりたいと考えるとします。ここにはアントラーズでとかフロンターレでプロになるという考えよりも、「夢はJリーガー」と語るので、プロになれればある意味目標は達成です。その上で入るチームを選択できるのであれば尚の事良いという事になります。つまりビッグクラブの方が良いとなる訳です。

ではなぜビッグクラブの方が良いのでしょうか?
それはチャンスが増えるからです。
チャンピオンチームからは海外移籍も活発になるのは過去のJリーグでも示して来ました。
そしてもっと高みを目指す選手なら、「チャンピオンズリーグに出場する」「チャンピオンズリーグで優勝する」となっていくわけです。
特にチャンピオンズリーグで優勝するチームはほぼ限られます。
現在日本人が所属しているチームで過去チャンピオンズリーグを制した事があるチームは、南野が所属するリバプールのみです。ですからより高みを目指す選手はそういったチームへのステップアップを望むのです。

さて話を戻します。
このようにチームに所属するのは自分の腕を試すという意味合いがあります。
個人事業主な彼らはそうなのかもしれません。

しかし、この考え方は我々の働き方にも同様の事が言えるはずです。
ただし、圧倒的に日本の会社は閉鎖的なので様々な情報が外にもれて来ません。
メディアに取材されたりする企業は何となくつかむ事が出来ますが(最近ではトヨタ自動車が面白いCMを流していますね)、そうでは無い中小企業が9割を占める日本においては、ほぼ自分の腕を試すべき会社がどこにあるのか皆目見当が付きません。

さらに欧米の会社の給料制度は売上高や利益率が高い会社ほど給料が高くなります。
ですから自分の給料に妥当性を感じる事が出来ます。
自分にもっと能力があるのであれば、よりステージの高い会社の門を叩けばいいのです。
同業他社においてもその事はよくわかっているので、例えば、A社・B社・C社と同業会の会社があったとします。しかしそれぞれに給料が違います。業界の中でも上流にあるのが
A社であれば必然的にそこの社員の給料は高くなります。下流の仕事になれば給料が低くなるのも理解して働いているのです。

そしてより上流の仕事に就きたいと考えるのなら我々がとるべき道はひとつです。
より良い仕事を探すという事になります。

「うちの会社は給料低いんだよ」
「評価基準がわからない」
って多くの社会人が言いますが、それは会社に帰属する事を承認した上で所属している方にとっては詭弁でしか無いと言わざるを得ません。
もし自分に能力があり、高い評価を受けられるとしたら、よりステージの高い会社に転職するべきです。

個人的には最近は様々な転職ツールが開発されているので、そういったサービスを利用される事をお勧めしますが、また勤めた会社も恐らく会社に帰属する事を求めるでしょうから、このループに永遠にはまり続ける事になるのです。

さて根本的になぜ日本人の多くは自分以外に矢印を向けるのでしょうか?
簡潔に応えるのなら、承認経験があきらかに少ないという事が言えます。
そういった受容感の低下は、自己肯定感に直結します。

「日本人の若者は自己肯定感が低い」といった事は内閣府が発信する若者白書でも明らかです。
幼少期の体験が成長欲求に繋がるとしたら、その時代に関わる保育園や幼稚園、そして保護者の責任は重大です。
そしてその結果、働く意識にも大きく関わりがあるのです。

そのような前提がある上で、現在の会社等の組織体では何が起こっているのでしょうか?
組織では閉鎖性と誤った親和性が蔓延っております。
優秀な社員を手放さない為の閉鎖性と誤った親和性は結果、優秀では無い社員に大きく影響するようになります。そして、徐々に組織を成長できないものに変化させてしまうのです。
閉鎖性(自分たちが絶対となる)からは以下のような風土が生み出されます。うまくいった成功体験をいつまでも引きずる風土、長老者が絶対となる風土などです。
誤った親和性(相性の良い同士がくっつく)からは、自らの文化を形成し他(人)を認めない風土、他の顔色をうかがう風土などです。
このような結果、組織は社員が成長しないと嘆くのです。

では皆さんの組織ではどうするのか?って事が重要ですよね。
問題意識だけお伝えしていると、それこそ概念でしかお伝えしておりませんので心苦しいのですが、もう少しこのような内容にお付き合い下さい。

(右腕の育て方4へ続く)
・次回以降のテーマ
『突然変異はある日突然に!?』
『待つか?育てるか?』


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〔風土改革HP〕 https://www.fuudokaikaku.com/

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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣

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