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マーケティング研究 他社事例 476 「MaaSのビジネスモデルに迫る2」 ~地域の特徴によって望まれる形は違う~

2020-01-10 09:47:40 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 476 「MaaSのビジネスモデルに迫る2」 ~地域の特徴によって望まれる形は違う~


海外ではメーカーからの脱皮を目指す動きもありますが、日本勢の取り組みは物足らないと言えます。

あと5年は大丈夫、といった考えでは取り残されてしまうかもしれません。

まずは自らの強みと市場を見極め、何に注力していくかを決めて行きたいものです。

MaaSではデータを集約してシステムを運用するオペレーター(プラットフォーマー)が重要な役割を果たします。

GAFAのような企業のない日本では、企業などのコンソーシアムが主導する動きがあります。

連合体は情報共有には有効ですが意思決定が難しいのが難点です。

鉄道会社や自治体などが優良な候補となっていくと考えます。

MaaSの事業モデルは、「人を連れまわしてお金を落としてもらう」という発想ではダメです。

人の移動だけでなく、物の移動もモビリティーです。

家の中で楽しめる若者を外に連れ出すことには無理があります。

物流を収益源に組み込み、総合的に考えるべきです。

日本で物流はコストと考えられていますが、人が移動する代わりにモノやサービスを移動させるという「手間を代行する」「時間を物に変える」という観点に立てば、新たなサービスとなり得ます。

ただしこのMaaSのあり方は、地域により違います。

大都市、ベッドタウン、地方の3パターンでモデルを考察してみます。

大都市の住民は高収入で忙しいケースが多いので、自家用車は必要なく、平日のモビリティー需要は朝と夜の域内移動程度です。

また効率というものにお金を払ってもいいと考える人が多く、電車、バス、タクシー、自転車などのモビリティーをつなげるだけでも収益に出来ます。

購買意欲も強く、物流ニーズも大きいと言えます。

次にベッドタウンです。

平日は買い物需要があり、土日には家族の外出も多いですが、移動は大都市型よりも少ないかもしれません。

スーパーや映画館と組むなど関係者を巻き込む仕組みが必要ですね。

物流とネット販売が充実すると、買ったものが家に入りきらず倉庫を構えることになります。

アメリカではすでにそうで、倉庫に運ぶ移動手段としてレンタカーがセットとなります。

在庫の情報開示が出来れば商品の二次利用も出来るかもしれません。
  
地方のMaaSは日常生活を支える手段となります。

マネタイズ(収益化を図ること)は難しいかもしれませんが住民がハッピーな感覚を持てる共生モデルを構築すべきでしょう。

日本にはもともと相互扶助の精神がありますが、つながりは仲の良い人≒『ムラ』にとどまって来ました。

隣の村を引き込むなど垣根を越えることが重要で、行政の入る余地があります。

日本でよく目にする「地域住民による朝の掃除や交通整理」の取り組みは、オーストラリアの地方都市で活用されて評価が高いようです。

日本の「歩行者と車の共存を図る仕掛け」や「山間部の縦横連携まちづくり」といったアイデアも他の国・地域に展開中です。

そういった事から地方ではまず情報を共有することが重要です。

エコシステムを作った上で新たな技術を導入するべきで、住民が困りごとを書き込める掲示板を通じ、情報を地域内外で通貨を介して交換できると社会実験の場としても魅力的になります。

クラウドファンディングのように協力する出資者を募っていく形もありますが、MaaSにおいて、簡単に儲けられる道はありません。

課題を分析し現状を知ること、業界や産官学の垣根を取り払うこと、そして、仲間づくりやデータ共有ができる文化を醸成する必要があると思います。

特に垣根の破壊は最重要課題でありますね。



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