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マーケティング研究 他社事例 477 「外国人材受け入れ」 ~現場が大混乱~

2020-01-14 15:51:13 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 477 「外国人材受け入れ」 ~現場が大混乱~


タイで人材紹介・派遣業務を手掛けている大手企業の幹部はため息交じりに「派遣を予定する人材の手続きが想定より遅れている」と話します。

この会社はアジア各国から日本の国内製造業向けに技能実習生や技術者を派遣しています。

自動車メーカーなどの顧客が繁忙期を迎える1月初めまでにタイの拠点からも技術者を日本に送り込めるように、外国人が長期滞在するのに必要な証明書の交付を日本の出入国在留管理庁に申請した所、例年なら審査が終わる時期(6月)にもかかわらず、今年はいつまでたっても連絡が来ないという事でした。

業を煮やして入管に確認をしても「手続きが遅れている」と返答するばかりです。

これ以上遅れれば顧客の生産に影響を及ぼしてしまうようです。

これは昨年10月の事です。

法務省のホームページによれば証明書の標準処理期間は1~3か月でした。

ミャンマーの人材紹介・派遣会社が入管に問い合わせると「現在、審査しているのは5月に申請された証明書で6月分の審査は11月、あるいはもっと先になる」と言われたと言います。

事業の拡大に伴い、東京で働くミャンマー人スタッフを増やす計画ですが、その入国手続きもままなっていないようです。

カンポジアの企業からも同様の指摘が出ています。

アジア各国の送り出し業者が対応に苦慮しているのが現状の様です。

入管庁は「審査が長引いていることは認識しており、対応の必要性は感じている」と話します。

なぜこんなに遅れているのでしょうか?

入管業務に詳しい複数の行政書士によると主な要因は訪日外国人の急増にあるそうです。

インバウンド拡大や人手不足を背景とする外国人材の需要増により、今年8月までに入国した外国人の数は約2166万人と前年同期比で117万人も増え、2年前の同時期と比べ355万人も増え、入管庁の業務量が急増しています。

これに加えて業務を滞らせたとみられるのが昨年4月に始まった在留資格「特定技能」です。

国外でも在留ビザを切り替える動きがあります。

業務が複雑になる一方、入管庁は昨年4月に局から庁に格上げされ、大幅な組織再編もありました。

「業務に不慣れな担当者が審査の前線に立つ事になり、混乱が生じている」

外国人材を活用したい企業や送り出し業者の不満は高まっています。

「電話で進捗を確認しようとしても2時間近くつながらない。せめてネットで審査の進捗状況は分かるようにしてほしい」との声が聞こえてきます。

「特定技能」で在留が認定された件数は昨年9月末の時点で376件で申請件数も約2400件にとどまりますが、政府は5年間で最大約35万人の受け入れを見込んでいます。

送り出す国の環境も整いつつあり、いずれその数は急増する事でしょう。

入管が昨年7月に始めた在留申請手続きのオンラインサービスも、浸透に時間がかかっています。

ネットも活用しながら審査を円滑にしなければ、外国人材を人手不足解消の一助にしたい日本政府の青写真が狂いかねません。



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