マーケティング研究 他社事例 756 「無視できないサプライチェーン上の人権問題②」 ~対応に動いた日本の企業~
コバルト問題が世界的な注目を浴びる中、トヨタ自動車は今年に入り、電池などのコバルトを含有する製品の調達先をさかのぼり、製錬業者を特定する作業を本格化させました。
コバルトの調達状況の調査は、エレクトロニクス業界が先行していましたが、電池はハイブリッド車やEVの心臓であることから、自動車産業も本腰を入れて対応せざるを得なくなりました。
コバルトについては紛争鉱物(タンタル、スズ、タングステン、金)のようにサプライチェーンの調査報告を義務付ける法律はまだ存在していませんが、ステークホルダーの関心が高く、欧州で法制化が進む可能性もあります。
「人権侵害に加担することがないよう、エレクトロニクス業界と自動車業界が連携して調査を的確に進める必要がある」と電子情報技術産業協会(JEITA)は話します。
欧米に比べて、人権リスクへの対応が後手に回りがちな日本ですが、踏み込んだ対応を進めてきた企業もあります。
ファーストリテーリングは2001年に海外出店を開始し、ナイキやGAPの製品を製造する途上国の工場での過酷な労働が1990年代から社会問題になっており、危機意識を強めていました。
2004年に中国や東南アジアなどの縫製工場に求める人権配慮の規定を設け、第三者機関による抜き打ち監査も実施して来ました。
監査結果などを踏まえ、取引先をA~Dの4段階で評価する格付け制度を開始し、2009年からはE評価を設け、深刻な問題があり改善されない、あるいは虚偽報告した企業に対し、取引の縮小や打ち切りなど厳格な対応して来ました。
これまで累計で75の工場がE評価となっていましたが、取引先の意識向上と改善支援を強化した結果、2019年度はE評価の企業は1社にとどまりました。
さらに、調達先が人権・労働問題に主体的に取り組むようにするため、2019年10月からは取引の長い中国の主要縫製工場から順次、自主監査へと切り替え始めました。
自主監査の結果を、第三者機関が現場に立ち会って検証することで、監査の精度を保つ取り組みになっています。
ファーストリテーリングは透明性を高めるため、工場の公開にも踏み切り、2017年に縫製工場のリストを公開、取引がある約600の工場のうち、生産量ベースで9割を占める248の主要工場の名前と住所を自社サイトで開示しています。
2018年には縫製工場の先にある主な素材工場も開示しました。
背景には、数年前に国内外のNGOやメディアから委託先の工場での長時間労働や労働環境の不備が指摘された苦い経験があります。
ただし、ユニクロの品質を支える工場を明かせば、競合に手の内を明かすことになりかねません。
「当初、経営陣は難色を示した」
しかし、透明性を徹底して確保する事の重要性を粘り強く説明し「社会の要請に応えられない企業に存在意義はない」と口癖のように語って来た柳井会長が最後に決断したのでした。
(続く)
下記は彩りプロジェクトのご紹介です。
ご興味があればご一読下さい。
彩りプロジェクトでは、ビジネススキルに特化した、オンラインセミナーをサブスクリプション制(定額制)でご案内しております。
毎月定額(基本価格10,000円(税抜)※企業規模(パート社員含む社員数)で価格は変動します)をお支払いいただく事で、何人でも何回でもご参加いただけるビジネスセミナーを開催しております。(別途カレンダー参照)
内容は、多岐に渡るものの、求められている役割毎に設定した内容となっています。
基本的なコースは、R29コースで、PDCA、コミュニケーション、情報収集、イノベーション、ファシリテート、コーチング、意思を伝える、フォロワーシップ、チームワーク、マネジメント、報告・連絡・相談、ビジネスマナーの12種類(2020年11月現在)となっております。
R35コースで、PDCA、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、ファシリテート、チームビルディング、イノベーションの9種類でR29コースよりも上級編の内容となっております。
最後に、R43コースが最上位クラスで設定されており、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、イノベーションの6種類となっております。
R29コースの特徴は、まずは個人にフォーカスしています。今更聞けないといった内容を中心に構成されており、現在の課題克服の為、またはこれから身に付けなくてはならないスキルとなっています。
R35コースの特徴は、視座を高くした構成で専門的な役職要件に応じた内容で構成されております。そして指導する立場になったあなたが身に着けるべきスキル集になっています。
R43コースの特徴は、それこそ会社全体を見回せるスキルの構成となっており、幹部候補にとっても必須の内容になっております。
セミナー名の一部をご紹介します。
・パラダイムシフトが必要なあなたのマネジメント力
・影響力から見るあなたのチームワーク力
・求められているそれを知り意見を伝える力
・創再共イノベーション力
・予定調和じゃ無い方のPDCA力
・非認知的アプローチから入るコーチング力
・笑顔がもたらす効果コミュニケーション力
受講にあたっては各自の選択制(年齢が20代だから、R43は受講できないといった事ではありません)となっており、先んじて学びを深めたい、今更聞けない事だから、といった様々な動機にお答えする内容となっております。
ちなみに、R〇〇のとなりは年齢をイメージしておりますが、例えば、R43は43歳以上の人は受けられないという事はありませんし、大卒1年目の方でもR43を受講する事は可能です。
定額制で何人でも何回でも受講が可能です!!
詳しい、資料のご請求や、ご質問等は以下にメールをお待ちしております。
メール info@irodori-pro.jp
HP https://www.fuudokaikaku.com/
お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
コバルト問題が世界的な注目を浴びる中、トヨタ自動車は今年に入り、電池などのコバルトを含有する製品の調達先をさかのぼり、製錬業者を特定する作業を本格化させました。
コバルトの調達状況の調査は、エレクトロニクス業界が先行していましたが、電池はハイブリッド車やEVの心臓であることから、自動車産業も本腰を入れて対応せざるを得なくなりました。
コバルトについては紛争鉱物(タンタル、スズ、タングステン、金)のようにサプライチェーンの調査報告を義務付ける法律はまだ存在していませんが、ステークホルダーの関心が高く、欧州で法制化が進む可能性もあります。
「人権侵害に加担することがないよう、エレクトロニクス業界と自動車業界が連携して調査を的確に進める必要がある」と電子情報技術産業協会(JEITA)は話します。
欧米に比べて、人権リスクへの対応が後手に回りがちな日本ですが、踏み込んだ対応を進めてきた企業もあります。
ファーストリテーリングは2001年に海外出店を開始し、ナイキやGAPの製品を製造する途上国の工場での過酷な労働が1990年代から社会問題になっており、危機意識を強めていました。
2004年に中国や東南アジアなどの縫製工場に求める人権配慮の規定を設け、第三者機関による抜き打ち監査も実施して来ました。
監査結果などを踏まえ、取引先をA~Dの4段階で評価する格付け制度を開始し、2009年からはE評価を設け、深刻な問題があり改善されない、あるいは虚偽報告した企業に対し、取引の縮小や打ち切りなど厳格な対応して来ました。
これまで累計で75の工場がE評価となっていましたが、取引先の意識向上と改善支援を強化した結果、2019年度はE評価の企業は1社にとどまりました。
さらに、調達先が人権・労働問題に主体的に取り組むようにするため、2019年10月からは取引の長い中国の主要縫製工場から順次、自主監査へと切り替え始めました。
自主監査の結果を、第三者機関が現場に立ち会って検証することで、監査の精度を保つ取り組みになっています。
ファーストリテーリングは透明性を高めるため、工場の公開にも踏み切り、2017年に縫製工場のリストを公開、取引がある約600の工場のうち、生産量ベースで9割を占める248の主要工場の名前と住所を自社サイトで開示しています。
2018年には縫製工場の先にある主な素材工場も開示しました。
背景には、数年前に国内外のNGOやメディアから委託先の工場での長時間労働や労働環境の不備が指摘された苦い経験があります。
ただし、ユニクロの品質を支える工場を明かせば、競合に手の内を明かすことになりかねません。
「当初、経営陣は難色を示した」
しかし、透明性を徹底して確保する事の重要性を粘り強く説明し「社会の要請に応えられない企業に存在意義はない」と口癖のように語って来た柳井会長が最後に決断したのでした。
(続く)
下記は彩りプロジェクトのご紹介です。
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彩りプロジェクトでは、ビジネススキルに特化した、オンラインセミナーをサブスクリプション制(定額制)でご案内しております。
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内容は、多岐に渡るものの、求められている役割毎に設定した内容となっています。
基本的なコースは、R29コースで、PDCA、コミュニケーション、情報収集、イノベーション、ファシリテート、コーチング、意思を伝える、フォロワーシップ、チームワーク、マネジメント、報告・連絡・相談、ビジネスマナーの12種類(2020年11月現在)となっております。
R35コースで、PDCA、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、ファシリテート、チームビルディング、イノベーションの9種類でR29コースよりも上級編の内容となっております。
最後に、R43コースが最上位クラスで設定されており、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、イノベーションの6種類となっております。
R29コースの特徴は、まずは個人にフォーカスしています。今更聞けないといった内容を中心に構成されており、現在の課題克服の為、またはこれから身に付けなくてはならないスキルとなっています。
R35コースの特徴は、視座を高くした構成で専門的な役職要件に応じた内容で構成されております。そして指導する立場になったあなたが身に着けるべきスキル集になっています。
R43コースの特徴は、それこそ会社全体を見回せるスキルの構成となっており、幹部候補にとっても必須の内容になっております。
セミナー名の一部をご紹介します。
・パラダイムシフトが必要なあなたのマネジメント力
・影響力から見るあなたのチームワーク力
・求められているそれを知り意見を伝える力
・創再共イノベーション力
・予定調和じゃ無い方のPDCA力
・非認知的アプローチから入るコーチング力
・笑顔がもたらす効果コミュニケーション力
受講にあたっては各自の選択制(年齢が20代だから、R43は受講できないといった事ではありません)となっており、先んじて学びを深めたい、今更聞けない事だから、といった様々な動機にお答えする内容となっております。
ちなみに、R〇〇のとなりは年齢をイメージしておりますが、例えば、R43は43歳以上の人は受けられないという事はありませんし、大卒1年目の方でもR43を受講する事は可能です。
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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
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