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マーケティング研究 他社事例 763 「一国の盛衰は半導体にあり」 ~トップ10のうち6社がランクインしたものの・・・~

2021-03-04 09:44:31 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 763 「一国の盛衰は半導体にあり」 ~トップ10のうち6社がランクインしたものの・・・~


アメリカは協定の締結交渉でも手綱を緩めませんでした。

日本が「不公平な協定を一刻も早くきれいに終わらせたい」と交渉に臨んだのに対し、アメリカは「協定が完全になくなればまた日本がダンピングをするかもしれない」と主張し平行線でした。

結果、日本市場での外国製半導体シェア確保を目的とする協議会を残すことを承諾せざるを得なかったと言います。

「一国の盛衰は半導体にある」

牧本氏(当時の日立製作所専務)は、この認識があるかないかが日本とアメリカの違いだったと後に分析しています。

アメリカの姿勢は今も変わる事はありません。

ファーウェイやSMICへの輸出規制など、かつて日本の急所を突いたように中国のエレクトロニクス産業の生命線を絶とうとしているのが良く分かります。

日本勢は1986年に世界の半導体メーカートップ10のうち6社を占めていました。

しかし、最新の2019年にトップ10入りしたのは東芝から独立したフラッシュメモリーのキオクシアホールディングスのみです。

日米半導体協定によって牙を抜かれた日本のDRAMは日立とNEC、三菱電機が事業を統合させてエルピーダメモリとして再出発しましたが、韓国勢や台湾勢との投資競争に敗れて経営破綻をしてしまいました。

東芝はDRAMを捨てフラッシュメモリーに集中し、世界2位を堅持してきましたが、システムLSG事業からの撤退を2020年9月に決めました。

富士通やパナソニックも半導体事業や工場を海外企業に譲渡しました。

日本の半導体メーカーの衰退には3つの遅れが関係しています。

パソコン市場の急激な拡大に乗り遅れ、総合電機メーカーの1事業だったために設備投資の意思決定も遅れました。

ファウンドリース(半導体受託生産)やファブレス(設計専業)などの水平分業への対応も遅かったのです。

1980年から1990年代半ばにかけての15年間、日本が政府も企業も積極的に動けなかったにに対し、欧米や韓国が半導体産業の強化策を次々と打ったことも大きく影響しています。

中国はどうでしょうか?

中国は国内の膨大な需要を背景に、政府と産業界が一体となってアメリカと徹底抗戦する道を選びました。

高い競争力をそぐのが狙いだった日米摩擦と、これから競争力を持つのを妨げたい米中対立は、アメリカの狙いこそ異なりますが、提供できる企業が限られ、様々な機器に使われる半導体を抑えるという戦術は30年の時を経ても共通だと言えます。

じわじわと競争力を失う状況を受け入れた日本と違って独自の道を歩む中国には、どんな結末が待っているのでしょうか?

今後も見守りたいと思います。


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お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/

成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 


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