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マーケティング研究 他社事例 743 「偏りのある食糧需給」 ~先進国での食の無駄~ 

2021-02-02 08:41:42 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 743 「偏りのある食糧需給」 ~先進国での食の無駄~


飽食の先進国で食べ物の廃棄を減らしても飢饉が常態化している地域に食糧が行き渡るわけではないと考える人もいると思います。

かくゆう私もそう思います。

しかし、国連世界食糧計画(WFP)は飢饉と食品ロスの強い関連性を主張しています。

限りある資源を大切にすることが、世界全体の食糧供給に余裕を持たせると考える為です。

食品ロス問題に火を付けたのも国連でした。

2011年、FAOが人の消費のために生産された食料の3分の1に当たる年間13億トンが捨てられているという「実態」を明らかにしたのです。

その後に掲げた「持続可能な開発目標(SDGs)」において、2030年までに小売り・消費レベルの1人当たり食料廃棄を半減する目標を打ち出しました。

日本でも事業系を中心に対策が進んでいます。

食品メーカーが賞味期限の表示を「年月日」から「年月」に変えたり、コンビニで期限が迫ったお弁当を割引販売したりする動きは定着しました。

食品ロスは減少傾向で、今後は個社に加えて、広い領域で連携を進めて取り組むことが求められています。

さらに重要なのが家庭のロス削減です。

2017年度の発生量は判明分だけで284万トンとなり、みずほ総合研究所は「賞味期限管理アプリなどデジタルツールは広がっており個人にどう意識してもらうかが課題だ」と話します。

先行きは不透明ですが、まずは捨てられるものを減らし、食糧が不足する地域に行き渡らせるべきです。

ではその適正配置はどのようにして行けばいいのでしょうか?

もしかしたら日本企業の技術力がその解決方法になるのかもしれません。

例えば、日本気象協会の取り組みには、『商品需要予測事業』なるものがあります。

これは2017年度から始められており、短期(日単位)、中期(週単位、15週先まで)、長期(月単位、6カ月先まで)の予測に加え、一般には出していない詳細な気象データを提供します。

これを基に「体感温度」を計算したり、ある商品がどの時期にどの程度売れるかを割り出したりし、コンサルティングも手掛けているのです。

顧客企業はその情報を商品の調達や陳列に活かす事が出来ると言う訳です。

豆腐メーカーの相模原食料は短期予想から冷ややっこの日々の需要を想定し、食品ロスを30%削減しました。

豆腐は消費期限が短く、生産段階から気候を考慮に入れる事で収益構造を高める事が出来たのでした。

ミツカンは中長期の予測から「いつまで冷たい麺が食べられるか」の時期を見通し、「冷やし中華のつゆ」の出荷時期を調整しています。

(続く)



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お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/

成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 

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