参考ブログ 六百番歌合 目録・定家番抜書
初恋
なびかじなあまのもしほびたきそめてけぶりは空にくゆりわぶとも
あしの屋のひまもるあめのしづくこそおときかぬより袖はぬれけり
忍恋
こほりゐるみるめなぎさのたぐひかなうへせくそでのしたのさざなみ
われとはとおもふにかかるなみだこそおさふるそでのしたになりぬれ
聞恋
もろこしのみずしらぬよのひとばかり名にのみききてやみねとやおもふ
いかにしてつゆをばそでにさそふらんまだみぬさとのをぎのうはかぜ
見恋
うしつらしあさかのぬまの花の名よかりにもふかきえにはむすばで
かかりけるすがたの池のをしのこゑききては袖のぬれしかずかは
尋恋
おもかげはをしへしやどにさきだちてこたへぬ風の松にふくこゑ
たづぬればためしやはなきまぼろしのよをへだてぬるなみのうへにも
祈恋
としもへぬいのるちぎりははつせやまをのへのかねのよそのゆふぐれ
くちはつるそでのためしとなりねとやひとをうきたのもりのしめなは
契恋
あぢきなしたれもはかなきいのちもてたのめば今日のくれをたのめよ
ただたのめたとへばひとのいつはりをかさねてこそはまたもうらみめ
待恋
かぜつらきもとあらのこはぎ袖にみてふけゆく夜半におもる白露
こぬひとをなににかこたんやまのはの月はまちいでてさ夜ふけにけり
遇恋
たふまじきあすよりのちのこころかななれてかなしき思ひそひなば
あひみてはまつとおもひしことのはに心の露のなほおもきかな
別恋
かはれただわかるるみちの野辺の露命にむかふものもおもはじ
わかれぢのありけるものをあふさかのせきをなにしにいそぎこえけん
顕恋
よしさらばいまはしのばでこひしなん思ふにまけし名にだにもたて
きみこふと人にしられぬいかにしてあはれうき名を今はつつまん
稀恋
としぞふるみる夜な夜なもかさならでわれもなきなか夢かとぞおもふ
こころざしあるかなきかのわすれみづいかなるをりにおもひいづらん
絶恋
こころさへまたよそ人になりはててなにかなごりの夢のかよひぢ
おもひわびあはれいくよかまきのとをしばしといひて月をみつらん
怨恋
あらざらんのちのよまでをうらみてもその面影をえこそうとまね
さてもなほたのむこころやのこしけんうらみけるさへうらめしきかな
旧恋
いかなりしよよのむくいのつらさにてこのとし月によわらざるらん
としへにしつらさにたへてながらふときかれんさへぞいまはかなしき
暁恋
おもかげもわかれにかはるかねのおとにならひかなしきしののめの空
あかつきのなみだやせめてたぐふらん袖におちくるかねのおとかな
朝恋
くもかかりかさなるやまをこえもせずへだてまさるはあくるひのかげ
いさいのちおもひはよはにつきはてぬゆふべもまたじ秋のあけぼの
昼恋
おほかたのつゆはひるまぞわかれけるわが袖ひとつのこるしづくに
あけぬればひるとききしをいかなればこひする袖はぬれまさるらん
夕恋
こひわびてわれとながめしゆふぐれもなるれば人のかたみがほなる
あけぼののあはればかりはしのぶれど今日をばいでず春のゆふぐれ
夜恋
たのめぬをまちつるよひもすぎはててつらさとぢむるかたしきのとこ
わがこひやゑじのたくひとなりぬらんよるのみひとりもえあかすかな
老恋
あかつきにあらぬわかれもいまはとて我がよふくればそふおもひかな
おきなさび身はをしからずこひごろもいまはとぬれんひとなとがめそ
幼恋
葉をわかみまだふしなれぬくれ竹のこはしほるべきつゆのうへかは
なさけなき風にしたがふひめゆりはつゆけきことやならはざるらん
遠恋
かなしきはさかひことなるなかとしてなきたままでやよそにうかれん
わすれずよいくくもゐとはしらねどもそらゆく月のちぎりばかりは
近恋
なみだせくそでのよそめはならへどもわすれぬやともとふひまぞなき
むめがえのすゑこすなかのかきねよりおもふこころやいろにみえまし
旅恋
ふるさとをいでしにまさるなみだかなあらしのまくらゆめにわかれて
あづまぢのよはのねざめをかたらなんみやこのやまにかかるつきかげ
初恋
なびかじなあまのもしほびたきそめてけぶりは空にくゆりわぶとも
あしの屋のひまもるあめのしづくこそおときかぬより袖はぬれけり
忍恋
こほりゐるみるめなぎさのたぐひかなうへせくそでのしたのさざなみ
われとはとおもふにかかるなみだこそおさふるそでのしたになりぬれ
聞恋
もろこしのみずしらぬよのひとばかり名にのみききてやみねとやおもふ
いかにしてつゆをばそでにさそふらんまだみぬさとのをぎのうはかぜ
見恋
うしつらしあさかのぬまの花の名よかりにもふかきえにはむすばで
かかりけるすがたの池のをしのこゑききては袖のぬれしかずかは
尋恋
おもかげはをしへしやどにさきだちてこたへぬ風の松にふくこゑ
たづぬればためしやはなきまぼろしのよをへだてぬるなみのうへにも
祈恋
としもへぬいのるちぎりははつせやまをのへのかねのよそのゆふぐれ
くちはつるそでのためしとなりねとやひとをうきたのもりのしめなは
契恋
あぢきなしたれもはかなきいのちもてたのめば今日のくれをたのめよ
ただたのめたとへばひとのいつはりをかさねてこそはまたもうらみめ
待恋
かぜつらきもとあらのこはぎ袖にみてふけゆく夜半におもる白露
こぬひとをなににかこたんやまのはの月はまちいでてさ夜ふけにけり
遇恋
たふまじきあすよりのちのこころかななれてかなしき思ひそひなば
あひみてはまつとおもひしことのはに心の露のなほおもきかな
別恋
かはれただわかるるみちの野辺の露命にむかふものもおもはじ
わかれぢのありけるものをあふさかのせきをなにしにいそぎこえけん
顕恋
よしさらばいまはしのばでこひしなん思ふにまけし名にだにもたて
きみこふと人にしられぬいかにしてあはれうき名を今はつつまん
稀恋
としぞふるみる夜な夜なもかさならでわれもなきなか夢かとぞおもふ
こころざしあるかなきかのわすれみづいかなるをりにおもひいづらん
絶恋
こころさへまたよそ人になりはててなにかなごりの夢のかよひぢ
おもひわびあはれいくよかまきのとをしばしといひて月をみつらん
怨恋
あらざらんのちのよまでをうらみてもその面影をえこそうとまね
さてもなほたのむこころやのこしけんうらみけるさへうらめしきかな
旧恋
いかなりしよよのむくいのつらさにてこのとし月によわらざるらん
としへにしつらさにたへてながらふときかれんさへぞいまはかなしき
暁恋
おもかげもわかれにかはるかねのおとにならひかなしきしののめの空
あかつきのなみだやせめてたぐふらん袖におちくるかねのおとかな
朝恋
くもかかりかさなるやまをこえもせずへだてまさるはあくるひのかげ
いさいのちおもひはよはにつきはてぬゆふべもまたじ秋のあけぼの
昼恋
おほかたのつゆはひるまぞわかれけるわが袖ひとつのこるしづくに
あけぬればひるとききしをいかなればこひする袖はぬれまさるらん
夕恋
こひわびてわれとながめしゆふぐれもなるれば人のかたみがほなる
あけぼののあはればかりはしのぶれど今日をばいでず春のゆふぐれ
夜恋
たのめぬをまちつるよひもすぎはててつらさとぢむるかたしきのとこ
わがこひやゑじのたくひとなりぬらんよるのみひとりもえあかすかな
老恋
あかつきにあらぬわかれもいまはとて我がよふくればそふおもひかな
おきなさび身はをしからずこひごろもいまはとぬれんひとなとがめそ
幼恋
葉をわかみまだふしなれぬくれ竹のこはしほるべきつゆのうへかは
なさけなき風にしたがふひめゆりはつゆけきことやならはざるらん
遠恋
かなしきはさかひことなるなかとしてなきたままでやよそにうかれん
わすれずよいくくもゐとはしらねどもそらゆく月のちぎりばかりは
近恋
なみだせくそでのよそめはならへどもわすれぬやともとふひまぞなき
むめがえのすゑこすなかのかきねよりおもふこころやいろにみえまし
旅恋
ふるさとをいでしにまさるなみだかなあらしのまくらゆめにわかれて
あづまぢのよはのねざめをかたらなんみやこのやまにかかるつきかげ