そう語るのは、菅義偉官房長官の側近議員だ。無理もない。東京高検の黒川弘務前検事長をめぐる問題や、河井克行・案里夫妻の逮捕で、内閣支持率は急降下中だからだ。
安倍晋三首相(65)は、「今井尚哉補佐官らがとりなしても、聞いているのかいないのか、うつろな目をしていることも多い」(同前)という。自民党最大派閥である細田派の中堅議員は、こう話す。
「総裁4選が不可能なことは、総理もわかっている。いま総理は、退陣後の不安にさいなまれている。政権を岸田文雄党政調会長に禅譲するつもりだったが、新型コロナ対策の給付金をめぐるゴタゴタで、岸田氏は政局勘の鈍さを露呈した。それを見て、安倍総理の不安が増しているようだ」
そこで急浮上しているのが、「第2次麻生政権」だという。伏線となるのが、6月10日、官邸で1時間にわたっておこなわれた、麻生太郎副総理兼財務相(79)と安倍首相との “サシ” 会談だ。
「9月の解散総選挙を進言した麻生さんに、安倍総理から “ポスト安倍” について、なんらかの意思確認があったとみられています。
この会談後、安倍総理が周辺に『次は麻生さんでいく』と、胸の内を明かしたといわれているのです。それは、もし内閣支持率がさらに低下して、政権を維持できない状況になったら、そのときは安倍総理が退き、悩ましい決定を下す際に、ずっと相談相手としてきた麻生さんに引き継ぎたいということ。
総理にとって麻生さんは、政界でいちばん信頼できる政治家なんです」(自民党関係者)
背景には、ポスト安倍をめぐる激しい駆け引きがある。
「二階俊博幹事長は、とにかく自身の幹事長続投が最優先。それが危うくなれば、無派閥議員を率いる菅官房長官と組んで、石破茂元幹事長を担ぐといわれている。そうなれば、自民党は真っ二つに分裂する」(政治部デスク)
そんななか、6月19日夜に安倍首相、麻生氏、菅氏、甘利明党税調会長が顔を合わせる4者会談が開かれた。
「石破氏を担ぐ “二階・菅連合” を組ませないようにするため、総理と今井補佐官が呼びかけてセットされた。“本音” が出るような話し合いはなかったようだ」(政治部記者)
首相経験者なのに、浮世離れした失言や放言で、国民からの批判はおろか、外交問題になりかけたこともしばしばある麻生氏。だが本人は、まんざらでもないようだ。
「麻生さんは以前から、『安倍がやれるなら、俺もやれるだろ』と言っている。千賀子夫人から政界引退をすすめられても、麻生さんは、『何言ってんだ。あと1期』と返したそうだ。まだ退く気はない」(自民党幹部)
政治ジャーナリストの角谷浩一氏は、こう憤る。
「麻生氏は、“古い政治家” の最後の生き残り。約束を守り、周囲を守るから安心感を与える。
ただ、コロナ対策で財政出動に最後まで反対し、森友問題の再調査を求める35万筆の署名を無視するなど、国民の声にまったく反応できていない。再登板など、国民無視もはなはだしい」
政権を私物化する「麻生再登板」論は、国民にとって覚めない悪夢だ。
(週刊FLASH 2020年7月7日号)
2020.06.29 06:00
7月9日、東京都内で新たに220人以上が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと、メディアが一斉に報じた。
感染症専門医は「緊急事態宣言発動時のような自粛ムードを一斉に解除すると、たった2週間で元の状態に戻るというシミュレーション結果もある。再流行は簡単に起こる」と警鐘をならす。さて、コロナに感染する人と、しない人の違いは何なのか。重症化・死亡する人と回復する人の違いは何か。その答えは「免疫力」にあった。
【図表】年代が高くなると死亡率がグンと上がる/持病の有無も致死率を大きく左右する ■
死亡率は低いのになぜコロナは怖いか 2020年5月25日、全国で緊急事態宣言が解除され、日本で新型コロナウイルス感染症流行の第1波が去ろうとしている。だが、一部地域では再び感染者が増えるなど、まだまだ気が抜けない。世間を大きく混乱させた新型コロナとは、いったいどんなウイルスなのか。季節性インフルエンザと何が違うのか。感染症専門医であるKARADA内科クリニックの佐藤昭裕院長は次のように語る。
「新型コロナがインフルエンザと大きく違う点の1つに、『肺炎になりやすい』ということが挙げられます。インフルエンザによる肺炎は、高齢者など限られた人のみに起こるのに対し、新型コロナによる肺炎は比較的若い人にも起こっています。死亡率に関してはインフルエンザや他の感染症と同じで、年齢が高いほど上がっていくという結果が出ています。新型コロナの死亡率は、60代以下だと2%以下ですが、80代以上だと11%ぐらいになります。これは、すでに存在している細菌性肺炎と同じくらいの死亡率です。ただ、新型コロナは治療薬もワクチンもないので、かかってしまうと手の打ちようがないというのが他の感染症と違うところですね」
■新型コロナは特効薬がまだ開発されていない 肺炎には大きく分けると細菌性とウイルス性の2種類があり、細菌性は抗生物質、ウイルス性は数は少ないが抗ウイルス薬で治療できる。インフルエンザは抗インフルエンザ薬を投与すれば良くなるが、新型コロナは特効薬がまだ開発されていない未知のウイルスのため恐れられているのだ。 そんな新型コロナウイルスの感染者には、軽症で済んだ人もいれば重症化したり死亡したりした人もいる。何がその違いを生むのか。
「20年4月24日に出た『The New England Journal of Medicine』という有名な医学雑誌で、新型コロナで重症化しやすい人の特徴(重症化因子)が発表されています。高齢(65歳以上)、肺疾患、心臓疾患、糖尿病、肥満、免疫不全(HIV患者、ステロイドや免疫抑制剤使用者、骨髄や臓器の移植をした人を含む)、腎疾患、肝疾患、喫煙などです」 また、子どもは新型コロナの感染率も死亡率も低いというデータが出ているが、1歳未満の乳児は逆に死亡率が上がるのだそうだ。
新型コロナによる肺炎で亡くなったコメディアンの志村けんさんは、ヘビースモーカーだったといわれている。そのことは、やはり死亡したことと関連性があるのだろうか。
「喫煙者は、何も診断されていなくても、CTを撮ると肺気腫や慢性閉塞性肺疾患(COPD)など何かしらの肺の病気があることが多いです。志村さんの場合も、もしかしたら肺に基礎疾患があった可能性がありますね」
女優の岡江久美子さんも、新型コロナによる肺炎で亡くなった。岡江さんは19年12月に乳がんが見つかっており、20年1月末から2月中旬にかけて放射線治療を行っていた。
「岡江さんがなぜ亡くなったのかという根拠は少し難しく、リリースされている情報だけを見るとあまりがん治療とは関係がないように感じます。乳がんの放射線治療はごく表層に放射線を当てるだけなので、後ろの肺に影響があったり、免疫力が落ちるということはないんですよ。手術後ということと放射線治療後ということは、免疫力低下やコロナ重症化には直接的には関わっていないと思われます」
一方で、抗がん剤は免疫力を下げるため、確実にリスクになるそうだ。抗がん剤治療をしている人は、前述の重症化因子の中の「免疫抑制剤使用者」に含まれる。ただ、抗がん剤治療をしてから数年が経過している場合は関係がないという。 また、大相撲の高田川部屋に所属していた三段目の勝武士さんは、新型コロナによる肺炎で28歳という若さで亡くなった。勝武士さんは、「重症化因子」のうちの「肥満」や「糖尿病」に該当している。肥満の人はさまざまな生活習慣病を合併しているので、重症化のリスクが高かった。
以下はリンクで>
https://news.yahoo.co.jp/articles/2bdfa96483d37cb9f6cab51150d4bbb5a60d33e1