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ラーメン二郎といえば、関東を中心に展開している大盛りラーメンの雄。安くて腹がいっぱいになる、学生やサラリーマンの強い味方で、その味やボリュームに魅せられた二郎インスパイア系なるラーメン店も数多く存在する。
無類の二郎好きが高じてインスパイア弁当に挑戦
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1・31・2021
「ダイ二郎」(全トッピング)
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東京都足立区で弁当屋「ダイナマイトキッチン」を営む店主の柳さんもラーメン二郎のファンの1人。
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「特にぶた(チャーシュー)にかぶりついたときの一口目が最高にうまい」と熱弁する立派なジロリアンだが、二郎好きが高じて、2019年秋にインスパイア弁当を生み出した。その名も「ダイ二郎」。肉だけで300gを誇るデカ盛り丼だ(税込850円)。
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「ダイ二郎は、自分なりに二郎の味を再現したくて考案しました。ほかの弁当屋が簡単にマネできない商品を作りたくて、特にチャーシューにはとことんこだわっています」
多くのジロリアンからも支持を受ける「ダイ二郎」
二郎に何度も通い、時には厨房を覗きながら見様見真似で作ったというチャーシューはバラ肉のブロックを3時間も煮込んで完成させる自慢の逸品。味付けにも徹底的にこだわっていて、数種類の醤油をブレンドして煮込んでいるという。煮込み具合と味付けのバランスは言うことなし。口の中でホロリととける肉は食べていて快感だ。
全トッピングで総重量は1kg超え
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じっくり煮込まれたこだわりのチャーシュー
「チャーシューだけにこれだけ手間をかけている弁当屋はほかにないと思います。使う部位も弁当だとスープがなくてパサついてしまうのでバラ肉を使っていますし、トッピングができるように背脂も作っていますよ」
二郎系といえば欠かせない背脂も手作り
トッピングとは、ラーメン二郎でおなじみの専門用語。好みに合わせてヤサイ、ニンニク、アブラ(背脂)、カラメ(ラーメンに使用するタレ)をトッピングできる。ダイ二郎も本家同様、ヤサイやニンニク、アブラを増せるのが嬉しい。ちなみに、無料トッピングをすべて入れると、総重量が1kgを超えるそうなので、注文の際には注意が必要となる。
このダイ二郎で一躍話題の弁当屋になったダイナマイトキッチンは2021年3月に7周年を迎える。サラリーマンとして20代を過ごした柳さんは30歳のときに一念発起。自身が大食いだったこともあり、大盛りがウリの弁当屋を開業した。 「サラリーマン時代、コンビニの弁当ではぜんぜん量が足りなくて、満腹になるには1500円ほど使っていました。それで手軽にお腹いっぱいになる店を作ろうと思って、誰もが手を出しやすい弁当屋をオープンすることにしました」
多彩なメニューが用意され、何度、来店しても飽きない
ダイナマイトキッチンが店を構える場所は、最寄り駅から徒歩でおよそ30分。とても好立地がいいとはいえないが、それでも客足が途切れることはない。 「失敗はできないので、素人なりにリサーチは入念に行いましたね。候補の店舗を決めた後、半年間、その周辺に通って近くのコンビニやラーメン店の客層や数をチェックしました。大きな通りに面していて、車通りも多く、短時間なら駐車もしやすかったので、これならイケると判断して、今も場所を選んでいます」
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唐揚げだけで600gオーバーの「デカ唐揚げ弁当」
圧巻のボリュームを誇る「デカ唐揚げ弁当」
開店当時からの看板メニューは、今も人気の「唐揚げ弁当」(税込500円)。通常のサイズでも大きな唐揚げがゴロゴロ入って十分にボリューミーだが、「デカ唐揚げ弁当」(税込640円)は、唐揚げだけで600gオーバー。いずれもジューシーで、あつあつのご飯はもちろん、キンキンに冷やしたビールのお供にも最高だ。これにご飯がついて640円はかなりコスパがいい。 「正直、デカ唐揚げ弁当は儲けがほとんどありません(笑)。たくさん注文されるときついのですが、たくさんのお客さんに着てもらって喜んでもらえるなら、今の値段のままでもいいかなと思っています」
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食欲をそそる「まかない丼」
人気メニューとして定着した「スペシャルまかない丼」
カベ一面にはられたメニューの中でも、唐揚げ弁当とダイ二郎が不動の人気を誇っていたが、近年は「まかない丼」シリーズも人気が高く、ダイ二郎より売れることもあるそう。 「まかない丼はいくつか種類があるのですが、特に人気なのは『スペシャルまかない丼』(税込590円)です。ご飯の上に、甘辛く味付けした鶏のひき肉を乗せてマヨネーズときざみ海苔をかけ、唐揚げ2個とチャーシューを1枚つけたデカ盛り弁当になります」
鶏のひき肉も店内でわざわざミンチにしていて、オイスターソースや豆板醤、コチュジャンなどで味付けした手の混んだおかず。甘辛い味付けはマヨネーズとの相性が抜群で、これだけでもご飯が進む。
次は燻製チャーシューに挑戦
「ダイ二郎」以外にもボリュームと味が両立した大盛り弁当が多数
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数々の人気商品を手掛けてきた柳さんだが、新商品の開発に余念がない。 「今も週に2、3回、大好きなラーメン屋を巡っているのですが、燻製チャーシューを作って弁当にしたいと思っています。手間や時間はかかると思いますが、僕の知る限り、燻製チャーシューを使っている弁当屋はありませんからね」 独創的なメニューと圧倒的なボリュームがまずは目につくが、味へのこだわりこそが多くのリピーターを生む弁当屋の秘訣のようだ。
▼店舗情報 ダイナマイトキッチン
東京都足立区鹿浜2-25-1
営業時間/9時30分~20時
定休日/無休
最新情報は公式ツイッター(@yyyaaa0219)で配信中
東京都足立区鹿浜2-25-1
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