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彗星のように現れたモデルナ日本法人の女性トップ「ワクチンはやがてオーダーメイドになっていく」:モデルナは救世主となるか

2024年07月02日 00時05分30秒 | 感染症のこと 新型コロナウイルス

コロナワクチンで彗星のように現れたモデルナ 日本法人の女性トップ「ワクチンはやがてオーダーメイドになっていく」:モデルナは救世主となるか
(1/4 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン 

鈴木蘭美(すずきらみ) 15歳で単身で英国に留学。University College Londonにて医学博士号を取得、Imperial College Londonでポストドクの研究を経て、ロンドンでベンチャーキャピタル事業に携わり、その後エーザイの執行役(コーポレートビジネスデベロップメント担当)、ヤンセンファーマのビジネスデベロップメント本部長並びにメディカルアフェアーズ部門本部長、フェリングファーマのCEO代表取締役を務めた。2021年11月8日にモデルナ・ジャパン代表取締役社長に就任。3児の母

コロナワクチンで彗星のように現れたモデルナ 日本法人の女性トップ「ワクチンはやがてオーダーメイドになっていく」モデルナは救世主となるか【前編】

2022年02月03日 07時10分 公開

[武田信晃,ITmedia]


 日本でもコロナワクチンの3回目の接種が始まっている。採用されたワクチンの1つはモデルナが開発したものだ。2010年に米国で創業したこの企業は、日本ではあまり知られていなかった。しかしコロナワクチンの普及によって、一躍有名になったのだ。

モデルナの製造工程(モデルナ・ジャパン提供)
 同社はメッセンジャーRNA(mRNA)分野の研究に始まり、多様なワクチン・治療薬・予防薬の製品、臨床開発段階のプログラムを有している。ITmedia ビジネスオンラインは21年11月に日本法人モデルナ・ジャパン(東京都港区)のトップに着任した鈴木蘭美社長(医学博士)に、話を聞くことができた

 鈴木社長は、同社に入社する前は同じく製薬企業のフェリングファーマCEO兼代表取締役を務めた。それ以前は、ヤンセンファーマのビジネスデベロップメント本部長やメディカルアフェアーズ本部長、エーザイの事業開発担当執行役を歴任したプロ経営者だ。1999年に英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで医学博士号も取得している。

 前編では日本市場での今後の展望を聞いた。



ワクチンはやがてオーダーメイドに

――mRNAを使ったワクチンとは何か、読者に説明をしてください。
 mRNAのワクチンは、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の作り方 ”レシピ” であるmRNAを、 “LNP(Lipid-nano-particles)”と呼ばれる脂質にくるませたものです。スパイクタンパク質とは、新型コロナウイルスがヒトの細胞の中へ侵入するために必要なタンパク質で、1273個のアミノ酸基が連なってできています。

 ヒトの細胞は賢くできています。ワクチンを打ってそれが細胞の中に入ると、とりこまれたmRNAを利用してスパイクタンパク質を自ら作り出します。するとヒトの免疫細胞がそのスパイクタンパク質の存在を察知して、免疫が活性化されるという仕組みです。

 私はこれを「体内マスク」と呼んでいます。実際の体内マスクを作っているのは、ヒトが生まれもった細胞の自然な機能です。当社モデルナは、あくまでも作り方 ”レシピ”をワクチンとして提供しているという考えです。

――mRNAのメリットは、どんなところにあるのでしょうか?

 これまでワクチンを製造するにはニワトリの卵を使うなど時間がかかっていました。それに対して、mRNAは製造工程が極めて短くシンプルな点がメリットです。だから、これだけ早くワクチンができました。

 もう少し具体的に言えば、mRNAは「情報」です。スパイクタンパク質のような抗原が定まれば、mRNAの配列は数時間で決まります。

 製造工程がシンプルなので、希少疾患の治療としても応用しやすいです。また米国の上場企業メルクと一緒にガンの個別化ワクチン(1人ひとりに合わせたワクチン)を開発しています。

 これはその人の「正常細胞」と、「ガン細胞」の遺伝子配列を比べて、その違いをワクチンとして注入し、抗ガン細胞の免疫力を高めることを目指しています。個別に作ると、普通であれば、お金がかかり生産性が課題となります。しかしmRNAなら、比較的シンプルに早く作ることが可能です。今年、その第2相試験の結果が出るので楽しみにしています。

――つまり究極的には、将来のワクチンや薬は、患者にあわせたオーダーメイドになっていくのでしょうか?

 少なくともガンに関しては、オーダーメイドのワクチン開発が始まっています。全てを個別化する必要はありませんが、より個人に合ったワクチンや薬があたりまえになる世界は来ると思っています。


3回目の接種の位置付け

――貴社の公式サイトを見ると新型コロナのみならずインフルエンザ、ジカウイルスなどかなりの種類のワクチンの研究をしていますね。

 20年には23本の新薬候補開発を進めていました。21年には37本まで増え、直近では40以上です。例えば現在、新型コロナウイルス、インフルエンザ、呼吸器系のウイルスであるRSウイルスを1つにした呼吸器系の混合ワクチンの開発を進めています。接種は年に1回で済む製品を目指しています。そうすればウイルス別のワクチンを何度も受ける必要がなく、さまざまな手間も省けます。

――40本のワクチンを研究してきました。日本市場の特徴を考えて、今後どういった商品のニーズがあると思いますか? 日本法人での開発も視野に入れていますか?

 熱帯の国に特有なワクチン以外は、当社の新薬候補は日本においても需要の高いものです。ですから、ほぼ全てを日本でも開発します。

 例えば、先日インフルエンザ用のmRNA-1010の試験データが出たのですが、結果は好調でした。遅延なく商品化して日本の人々に提供したいと考えています。

 mRNA-1647はサイトメガロウイルス(CMV)用のワクチンです。これは妊婦になる前に接種するワクチンです。CMVはあまり知られていませんが、妊娠中に感染すると耳が聞こえない赤ちゃんが生まれるなどのリスクがある一方、明確な対処法がありません。このCMVを予防するためのワクチンを開発していて、第3相まで進んでいます。

 ほかにもアストラゼネカと一緒に、心筋梗塞が起こったときに心臓の筋肉に局所で打つことによって心臓再生を促す新薬候補も開発しています。


――モデルナにとっての3回目の接種の位置付けは?

 オミクロン株ですが、ウイルスの働きを抑える「中和抗体値」が、3回目のワクチン接種によって接種前と比較して50マイクログラムで37倍、100マイクログラムで83倍になったデータがあります。これだけパワフルなワクチンであれば、多くの方に貢献できると思っています。


――異なるワクチンを接種する「交差接種」についてはどのように考えていますか?

 厚生労働省のWebサイトにも明記されておりますが、1・2回目接種でファイザー社ワクチンを受けた人が、3回目でファイザー社ワクチンを受けた場合と、武田/モデルナ社ワクチンを受けた場合のいずれにおいても、抗体価が十分上昇することが分かっています。

 最近はシンガポール、米国、英国などから、交差接種のリアルワールドエビデンス(実際の医療現場などにおける証拠)が次々と発表されており、コロナ感染による重症化、入院率、致死率などにおいて、強い効果が確認できています。

以下はリンクで、






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