泉区生活支援ネットワーク

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障害者自立支援法の障害区分細分化 新体系移行、宮城低調

2011年12月04日 | 法律・制度・通達など
(「河北新報」平成23年12月4日(日)付け記事より引用)
 障害者自立支援法に基づく新しい福祉サービス体系(新体系)への施設移行率が、宮城県は全国最低レベルにとどまっている。来年3月末の移行期限が迫り、県は早期の移行を促しているが、施設側からは移行の弊害を指摘する声が聞かれる。(「いのちの地平」取材班)

 新体系では、旧体系で身体、知的、精神の3障害に分かれていたサービスを一元化し、障害の種別を問わず各施設の利用が可能になる。これに伴い、旧体系では3段階だった障害程度区分が6段階に細分化される。
 病院や施設から受け入れを拒まれることの多かった重度障害者は、利用の門戸が広がる新体系を基本的に歓迎している。
 遷延性意識障害者の家族でつくる宮城県ゆずり葉の会の沼田孝市会長は「施設が『ついのすみか』になったり、『親亡き後』の問題を抱えたりしている障害者は多い。入所できる施設が、いっそう充実してほしい」と期待する。
 だが、宮城県は新体系への移行が低調だ。厚生労働省によると、本年度の移行率(4月1日)は50.4%で全国平均を約20ポイント下回る。高知県、長崎県に次いで低く、東北では最低となっている。
 宮城県障害福祉課は「宮城の移行率が低い理由は正直、分からない」と困惑しているが、施設側からは「新体系は報酬減につながる」といった移行の弊害を指摘する声が出ている。
 遷延性意識障害者を含む約50人が入所している仙台市の身体障害者療護施設では、障害程度区分に応じて1人当たり月額43万~37万円の範囲で3段階だった報酬が、新体系で49万~28万円の幅に広がることで年間約1000万円の減収となるという。このため、期限ぎりぎりまで新体系に移行しない方針だ。
 事務長の男性は「報酬の多い重度障害者を入れないと経営が成り立たなくなる。施設が経営面から軽度障害者の入所を断る『営利企業化』が進みかねない」と指摘。施設の「門戸開放」についても、「知的・精神障害者との接し方が分からず、受け入れる考えはない。知的・障害者施設が身体障害者を受け入れる場合も同じだろう」と、懐疑的な見方を示す。
 期限までに移行しないと報酬を受けられなくなるため、大半の施設は年明け以降、駆け込み的に新体系に移行するとみられるが、経営判断で閉鎖や廃止を選択する施設が現れる可能性もある。宮城県障害福祉課は「閉鎖や廃止は利用者に影響が出るので避けてほしい」と訴えている。
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