(読売新聞ONLINE令和6年6月26日付記事より引用)
障害者向けグループホーム(GH)運営会社「 恵めぐみ 」(東京)による食材費の過大徴収問題で、愛知県と名古屋市は26日、障害者総合支援法に基づき、県内5か所の事業者指定を取り消すと発表した。過大徴収額は約3億円に上り、厚生労働省は同法に基づく「連座制」を適用。恵が12都県で運営するほかの99か所のGH(定員計約1700人)は順次、運営できなくなる。
障害者向けグループホーム運営会社「恵」の西日本支社(名古屋市緑区で)
指定取り消しは最も重い行政処分で、対象は名古屋市4か所と同県幸田町1か所(定員計約110人)。8月31日から12月1日にかけて運営ができなくなるため、愛知県は、各自治体に利用者の転居先の調整支援などを要請した。
食材費は、厚生労働省令で実費のみ受け取ると定められているが、同社は2018年以降、利用者1人あたり月2万5000円を集めながら、各施設に同8000円程度しか支給せず、差額は収益としていた。
同法には、不正行為に組織性がある場合、同じ法人が運営するほかの施設について、6年ごとに行われる指定の更新を5年間認めない連座制の規定がある。
厚労省は、本社が不正な金銭の流れを管理していたと認定し、連座制を適用した。これにより、全国99か所のGHは次の更新期限までしか運営できない。厚労省は今後、自治体との連絡会議を設置し、恵のGHで暮らしている入居者が行き場を失わないよう、対応を検討する。
同社の担当者は「 真摯に受け止め、今後の対応を決めていきたい」と話した。