(「河北新報」令和6年11月13日付け記事より引用)
来年11月に東京を主会場に開催される聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」の認知度を高めようと、柴田町手話サークル(武藤朱実会長)が、デフアスリートを招いた講演会を槻木生涯学習センターで開いた。
4日に開かれた講演には、仙台大陸上部の長谷川翔大(3年)、小原奏楽(そら)(2年)、村田悠祐(2年)の3選手が「デフアスリートとして」と題して登壇。スライドと手話を使って話した。
角田市出身の長谷川選手は普通学級に通っていた小学校で同級生が手話を覚えてくれたエピソードを紹介。中学で本格的に陸上を始めて現在は短距離選手として活動し「走る、跳ぶ、投げるという基本動作を基に、自分の限界を超えるのが陸上競技だ」と強調した。
大崎市出身の小原選手はバスケットボールや水泳に打ち込んだ後に陸上と出合った。専門とする400メートル障害を「最も過酷で、体力もスキルも求められる」と表現した。
村田選手はアルペンスキーの大会に出場していたものの、オフシーズンに取り組んだ陸上に力を入れるようになった経緯を紹介。デフリンピックに関するクイズを出して、手話に関心を持つ市民ら約70人と交流を深めた。
主催した岡崎佐枝子実行委員長(77)は「五輪やパラリンピックに比べると知名度が低く、選手に対する国や企業の支援が少ない。皆に広く知ってもらえるきっかけにしたい」と語った。