(「河北新報」令和6年10月26日付け記事より引用)
登米市の障害者就労支援3事業所が、障害者が生産工程に関わった食品の農林規格「ノウフクJAS」をそれぞれ取得した。県内初の認証で、「農福連携」の理解促進や工賃向上など障害者の就労機会の拡大を図る。(登米支局・山並太郎)
事業所は就労継続支援A型事業所指定の「ワンズ しいたけランド」(渡辺伸代表)、就労継続支援B型事業所指定の「ドリーム農園」(小野寺利子代表)とNPO法人「わらいの館四季 Seed company(シード・カンパニー)」(白石弘美代表)。
それぞれ、シイタケやコメ、長ネギのほか、乾燥シイタケ、乾燥ネギの加工品を手がける。施設利用者が生産から出荷までを担う。
3事業所は7年ほど前から、NPO法人みやぎセルプ協働受注センター(仙台市)と連携。商品PR策や販路拡大のアドバイスを受け、仙台市内で販売イベントを行ってきた。
みやぎセルプによると、東京都内でのJAS認証の農産イベントに出品できなかったことから、ブランド力強化のため、今年3月から手続きを進め、9月1日付でノウフクJASを取得した。
みやぎセルプの上村俊幸さんは「3事業所は横の連携が強く、同じ地域の事業所がまとめて認証を受けるのは珍しい。全国の飲食店や施設の食事で食材を提供する際に地域をアピールできる」と意義を話す。
今月2日に、しいたけランドで合同のお披露目会があり、熊谷盛広市長ら関
係者約20人がネギの袋つめやシイタケ収穫の作業工程を見学した。3事業所の代表らは「利用者の自信が深まる」「社会の一員として働く付加価値が増した」と感想を口にした。
今後はさらなる品質向上を目指し、3事業所のコラボ商品の開発も視野に入れているという。