(「河北新報」令和6年11月17日付け記事より引用)
重度障害者の意思表示ツールとして注目される視線入力の訓練アプリ「EyeMoT」を開発した島根大総合理工学部の伊藤史人助教が、仙台市青葉区の市中小企業活性化センターで講演した。重度意識障害児・者の家族らオンラインを含め約110人が聴講した。
視線を使ってパソコンの入力ができるシステムは、多くの特別支援学校や医療機関、施設で活用されているという。
伊藤氏は、アプリを利用する障害者の成長の様子や家族、介護者の変化を動画を交えて説明。「意思表示できることを可視化することが重度障害者にとってすごく大事。その姿を見て周りの人たちも良くしようと前向きになる」とアプリの効果を語った。
染色体異常による重度心身障害がある仙台市太白区の泉澪来(れいら)ちゃん(2)は、講演後にアプリを体験。父康哉さん(30)は「今までは見えているかもしれないという感覚だったが、ちゃんと目が見えていることが分かってよかった」と話した。
講演会は2日あり、事故や病気などで遷延(せんえん)性意識障害になった県内や東北の患者家族などでつくる「県ゆずり葉の会」が主催した。