(「河北新報」平成24年9月23日(日)付け記事より引用)
20~40代おしゃれごろ
さまざまな障害がある20~40代の女性が、自ら障害者も取材して記事を書いたフリーペーパー「Co-Co Life(ココライフ) 女子部」が発行された。目指すのは「女子力」アップ。おしゃれやお出かけ情報、恋の悩みを話し合う座談会も盛り込んだ。
「一歩踏み出すきっかけを」と外出や出会いをためらいがちな同年代の女性を応援する。
フリーペーパー自ら編集
ファッション情報や恋愛相談
日曜の午前8時半。東京都中野区の事務所で、メーク特集の撮影が始まった。
モデルは知的障害のある町田萌香さん(24)。両下肢機能障害の藤井晶子さん(29)が、メモを取りながらアイシャドーの塗り方を尋ねる。「手で(化粧道具の)チップを持てないときは、どうすればいいんでしょうか」。メーク担当の女性は「中指で塗るのが一番」とほほ笑んだ。
「手を使えない友達もいる。どんな障害のある人に向けて書けばいいのか悩んだ」と藤井さん。
有料季刊誌が前身
もともとは2008年、福祉機器のレンタル・販売会社の経営者が有料の季刊誌「ココライフ」を発行。しかし広告料が入らず13号で休刊した。当時の編集者が、読者モデルを経験した藤井さんたちに「今度は自分たちで」と呼び掛けた。
編集者らが資金を出し合い、協賛金、広告料も集まって8月、B5判16ページ、オールカラーの1号を5000部、障害者支援のNPOから発行。9月には全国の協力病院などに届けた。今後は広告を募りながら季刊発行を予定している。
藤井さんは「普通の女子にできることが私たちには難しいこともある。情報交換の場は必要」と話す。
東京・丸の内のオフィス街では、横田さくらさん(23)がモデルとして表紙撮影に臨んだ。急性散在性脳脊髄炎の後遺症で足が不自由になった。
3月に退院した後、車椅子にもようやく慣れた。カメラマンから「車椅子をあまり握り締めないで」と声を掛けられ「どうしたら自然な笑顔になるのか分からなくて」と照れ笑いした。
悩み打ち明け合う
「バリアフリーな恋愛テクニック」をテーマにした座談会には20~40代の4人が参加。健常者の男性に付き合ってほしいと言われたときの戸惑い、外見では分からない障害の伝え方…。悩みや体験を打ち明け合った。車椅子の司会者は「女子であることを楽しむ、自分に自信を持つためにきちんと考える」ことが大切だと締めくくった。
スタッフは大半がボランティア。「編集の仕事をしてみたかった」という先天性骨形成不全の旱水小百合さん(44)は、一般企業の正社員として働きながら夜や休日に取材、執筆した。東京スカイツリー(東京都墨田区)の取材では、車椅子でも十分楽しめると評価。ただし、ゆるい傾斜のある天望回廊を手動の車椅子で進むのは「『自力では無理』との声も」と記すことも忘れなかった。
「取材をしてみて『夢を諦めずに頑張ってみよう』と思った。自分に限界はある。でもまた挑戦したい」
20~40代おしゃれごろ
さまざまな障害がある20~40代の女性が、自ら障害者も取材して記事を書いたフリーペーパー「Co-Co Life(ココライフ) 女子部」が発行された。目指すのは「女子力」アップ。おしゃれやお出かけ情報、恋の悩みを話し合う座談会も盛り込んだ。
「一歩踏み出すきっかけを」と外出や出会いをためらいがちな同年代の女性を応援する。
フリーペーパー自ら編集
ファッション情報や恋愛相談
日曜の午前8時半。東京都中野区の事務所で、メーク特集の撮影が始まった。
モデルは知的障害のある町田萌香さん(24)。両下肢機能障害の藤井晶子さん(29)が、メモを取りながらアイシャドーの塗り方を尋ねる。「手で(化粧道具の)チップを持てないときは、どうすればいいんでしょうか」。メーク担当の女性は「中指で塗るのが一番」とほほ笑んだ。
「手を使えない友達もいる。どんな障害のある人に向けて書けばいいのか悩んだ」と藤井さん。
有料季刊誌が前身
もともとは2008年、福祉機器のレンタル・販売会社の経営者が有料の季刊誌「ココライフ」を発行。しかし広告料が入らず13号で休刊した。当時の編集者が、読者モデルを経験した藤井さんたちに「今度は自分たちで」と呼び掛けた。
編集者らが資金を出し合い、協賛金、広告料も集まって8月、B5判16ページ、オールカラーの1号を5000部、障害者支援のNPOから発行。9月には全国の協力病院などに届けた。今後は広告を募りながら季刊発行を予定している。
藤井さんは「普通の女子にできることが私たちには難しいこともある。情報交換の場は必要」と話す。
東京・丸の内のオフィス街では、横田さくらさん(23)がモデルとして表紙撮影に臨んだ。急性散在性脳脊髄炎の後遺症で足が不自由になった。
3月に退院した後、車椅子にもようやく慣れた。カメラマンから「車椅子をあまり握り締めないで」と声を掛けられ「どうしたら自然な笑顔になるのか分からなくて」と照れ笑いした。
悩み打ち明け合う
「バリアフリーな恋愛テクニック」をテーマにした座談会には20~40代の4人が参加。健常者の男性に付き合ってほしいと言われたときの戸惑い、外見では分からない障害の伝え方…。悩みや体験を打ち明け合った。車椅子の司会者は「女子であることを楽しむ、自分に自信を持つためにきちんと考える」ことが大切だと締めくくった。
スタッフは大半がボランティア。「編集の仕事をしてみたかった」という先天性骨形成不全の旱水小百合さん(44)は、一般企業の正社員として働きながら夜や休日に取材、執筆した。東京スカイツリー(東京都墨田区)の取材では、車椅子でも十分楽しめると評価。ただし、ゆるい傾斜のある天望回廊を手動の車椅子で進むのは「『自力では無理』との声も」と記すことも忘れなかった。
「取材をしてみて『夢を諦めずに頑張ってみよう』と思った。自分に限界はある。でもまた挑戦したい」