ださいたま 埼玉 彩の国  エッセイ 

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秋の七草寺 長瀞 

2011年09月23日 16時35分40秒 | 盆栽・桜・花・木・緑・動物
秋の七草寺 長瀞

長瀞の魅力は、宝登山神社や岩畳だけではない。「花の里」でもある。春のロウバイ、ウメ(百花園)にしだれ梅、通り抜けの桜については、少しずつ書いてきた。

秋の七草寺もあるというので、11年、今度はまだ暑いうちに訪ねた。秩父の入り口に近い長瀞は、標高が平地の埼玉県より少し高いので、秋の訪れも早い。

案内のパンフレットを見ると、秩父鉄道の野上駅(長瀞から一つ熊谷寄りの駅)が五つの寺に近いとあるので、この駅で下車すると、女性が多い中高齢の人の長い列が目に入った。

聞けば、西武鉄道と秩父鉄道が主催する「七草寺めぐりハイキング」の参加者で、西武秩父駅経由で樋口駅(野上駅のもう一つ熊谷寄り)下車。尾花(ススキ、カヤ)の道光寺を振り出しに歩いているのだという。

道光寺前には、春には約1万本の「長瀞かたくりの郷」があるので有名。

風流な人は多いものだとつくづく感心する。

葛の遍照寺も見て、萩の洞昌(とうしょう)院(写真)に向かっている途中だった。全部で約13km、約4時間のコースだという。

「道を聞く労が省けるな」と、ちゃっかり便乗することにした。

洞昌院の萩は見ごたえがあった。山萩、白萩、紅萩、夏萩、宮城野萩、屋久島萩・・・。萩についてはよく知らないので、どれがどの萩だとは分からないのに、その種類と、境内からお墓のある裏山にかけて植えられている1万本を超す萩の数に圧倒された。

この後、桔梗の多宝寺、藤袴の法善寺、女郎花(おみなえし)の真性(しんしょう)寺を回った後、約600本の桜並木(北桜通り)を抜けて、長瀞駅へ出て、撫子(なでしこ)の不動寺まで登ってゴールだ。不動寺は、春の花見でも何度か立ち寄った。

法善寺は,春にはしだれ桜で知られる。

初めて気がついたのは、長瀞駅前の長瀞町観光協会で、電動自転車のレンタサイクルを始めたことだ。これを借りれば、道さえ分かっていれば、長瀞駅発着で走るだけなら20km、2時間で7つの寺を回れるという。

長瀞駅前発の七草寺回り定期観光バスもある。

七草の開花状況は、長瀞町観光協会のホームページにアクセスすれば一目で分かる。

秋の七草が終われば、次は紅葉だ。荒川沿いの紅葉は素晴らしい。「月の石もみじ公園」のライトアップが始まるのは11月中旬から。推定樹齢50~80年ぐらいの多くのイロハモミジとオオモミジがある。同時期に宝登山神社の紅葉もライトアップされる。

「月の石」の名の由来は、高浜虚子の

ここに我 句を留むべき 月の石

の石碑があるからという。

ロウバイから紅葉まで、長瀞は一年中花が絶えない。神社に地質に花、紅葉、それに舟下りとマルチな観光地である。13年には約230万人の観光客が訪れた。何か名物になるようなおいしいものがあれば最高なのだが。


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