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児童虐待通告数 埼玉は全国2番目

2018年12月26日 17時19分34秒 | 県全般

児童虐待通告 埼玉県は全国2番目

新聞やテレビのニュースを見ていて、最も心が痛むのは児童虐待に関するものである。虐待の疑いがあると警察が児童相談所に通告した数が本県は大阪府についで全国2位だというから驚く。

18年12月14日さいたま地裁で、桶川市のマンションで17年10月、1歳1か月の3男に十分に食事を与えず死亡させ、保護責任者遺棄致死罪に問われた夫婦(各25歳)にいずれも懲役6年が言い渡された。

暴力などの積極的な虐待はなく、経済的に困っていたとか、世話をする時間がないなどという事情もなく、「育児よりもゲームなどで遊ぶことを優先させたことに同情の余地はない」と裁判長は述べた。夫は出会い系サイトに熱中、妻はパソコンのオンラインゲームにはまっていた。

このため赤ちゃんがやせ細っているのを認識していたのに、約1か月十分な食事を与えなかった。発見時の3男は標準体重の半分以下の約3.8kg、身長は約15cm低い約60cmしかなかったという。

同月5日には同地裁越谷支部で、草加市の自宅で18年真冬の1月13~14日の午後5時ごろから約20時間、当時0歳の長女をトイレに放置し、左足の指が脱落する両足凍傷などのけがを負わせたほか、17年11月中旬から18年1月15日の間に、頭をなぐったり、右腕を両手でつかんでひねったりして、頭の骨折など2か月のけがをさせて保護責任者遺棄致傷と障害の罪に問われた母親(25)に懲役2年が言い渡された。

「長女の成長が遅く、手がかかることにいら立ち、鳴き声への苦情などで責められていると感じて、17年10月頃から常習的な虐待を加えるようになり、いずれもその一環である」と裁判長は述べた。

この2例は、ほんの一部に過ぎず、警察庁のまとめでは18年1~6月の半年間に虐待を受けている疑いがあるとして警察が児童相談所(児相)に通告した18歳未満の子どもは3万7113人(17年は6万5431人)に上る。

都道府県別では、大阪が最多の5150人(同9305人)で、埼玉が4752人(同7980人)、神奈川の3721人(同6185人)と続く。

4752人は前年同期より1121人多く、統計のある11年から7年連続で増加し、過去最多だった。

虐待の内容別では、子どもの前で家族に暴力をふるう面前DV(ドメスティック・バイオレンス=家庭内暴力)を含む心理的虐待が71%、桶川市のような育児放棄(ネグレクト)などの怠慢・拒否が15%、殴るなどの身体的虐待が14%、性的虐待が0.1%と続いている。

一方、県こども安全課によると、17年度に児童虐待が疑われるとして、県の児童相談所に寄せられた通告は、警察からの通告も含めて1万3393件で、児童虐待防止法が施行された2000年度以降最多を更新した。

このうち警察からの通告は9075件で、全体の67.8%。このうち6375件が心理的虐待だった。通告後の対応は、事態が深刻なため親子を引き離す「施設入所・里親委託」は228件(1.7%)だった。

県は17年6月、県警やさいたま市と児童虐待の情報共有範囲を拡大する協定を締結、18年8月から虐待情報全件を県警と共有する方針を打ち出し、早期対応に力を入れている。

まだ余り知られていないが、全国共通で24時間、近くの児童相談所につながる電話(189=いちはやく)があり、虐待の通告や相談に対応してくれる。



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