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松伏町 ゴルフの石川遼選手の出身地 

2014年05月18日 08時34分34秒 | 市町村の話題


県人でも松伏(まつぶし)町(人口約3万人)がどこにあるか知らない人が多い。私もその一人だった。石川遼選手のおかげで、知名度がにわかに高まってくると、一度行ってみたいと気になって、地図を見ると

県の東南部にあり、東は千葉県の野田市、北は春日部市、西は越谷市、南は吉川市に接する。

鉄道の駅がないので、公共交通機関で行こうとすると、東武スカイツリーライン、JR武蔵野線、東武野田線(アーバンパークライン)のいずれかの駅からバスで行くことになる。

町役所やこの町の売り物の「田園ホール・エローラ」に行くには、「東武スカイツリーラインの北越谷駅からのに乗ったらいい」と南越谷駅前のバス停留所で運転手に教わった。

町内に鉄道駅がないのは。さつまいもで有名な三芳町、「日本一長いバラのトンネル」を持つ川島町、「吉見百穴」の吉見町、鳩山町、小鹿野町、県内唯一の村・東秩父ぐらいだろうか。

14年4月、町役所に入ると、「ここは石川選手の町だ」と実感する。大きな等身大の写真が迎えてくれる。

石川選手の実家は、整然と区画された戸建ての建売住宅がならぶ「ゆめみ野」の中にあった。UR都市開発機構が開発したゆめみ野の中にある松伏小学校、中学校はちょっと南の上赤岩の松伏第二中学校に通った。

信用金庫に勤めていた父親の指導で、小学校からゴルフを始め、車で30分ほどかかる野田市のゴルフ場に通ったのは有名な話。

「松伏っ子」なのである。ゆめみ野の中にある松伏記念公園にはすでに記念碑が建っているというから驚く。

08年、東京・杉並学院高校に入学、高校1年の16歳3か月でツアープロになり、内閣総理大臣杯日本プロスポーツ大賞を受け(09年も)、09年には賞金王になった。いずれも「史上最年少で」がつく。アマチュア時代15歳で世界最年少優勝のギネス・ワールド・レコードも持つ。

記念碑が立ってもおかしくない記録の持ち主である。ニックネームはご存知「はにかみ王子」だ。

松伏町は、ゆめみ野にある中央公民館の中の町立の音楽の殿堂「田園ホール・エローラ」で知られる町である。

外観は一見、倉庫のような建物だ。(写真)

1989(平成1)年に町制施行20周年を記念して建設された。作曲家・故芥川也寸志氏のアドバイスとプロデュースで、日本初のコンピューターによるデジタル音響設計を取り入れ、音響効果が優れていることで知られる。

「エローラ」の名は、氏の代表作「エローラ交響曲」からとった。曲想を得た、巨大な岩をくり抜いて造られたインドのエローラ石窟院にちなむ。

観客数525、室内楽に適した残響時間に調整されていて、演奏した世界各国の音楽家たちの評価も高い。

目の前の県立松伏高校には、音楽科があり、エローラ混声合唱団や少年少女合唱団もある。音楽が盛んな町になった。

中央公民館の壁面や役場、小中学校には、町の金杉小学校出身で、町内にアトリエを持つ日本画家・後藤純男氏の作品が展示されている。後藤画伯は、院展で内閣総理大臣賞を受賞、東京藝術大学の教授を務めた。

町内には鉄道の駅がないせいか、例えば北越谷からエローラに向かう場合、バスの便が頻繁にあるのに驚く。

東から江戸川、中川、大落古(おおおとしふる)利根川の三つの川が、南北にそれこそ川の字に流れる「川のまち」である。中川や大落古利根川の岸辺に、黄色く群生する、アブラナに似た「からし菜」が町の春の風物詩だ。

「からし菜」は、よく知られているとおり食べてもおいしい。


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