新古今和歌集の部屋

稲妻の裾

稲妻の裾をぬらすや水の上


季語 稲妻 秋


この句は、各務支考が、十七歳の千代女に与えた題「杜若」、「稲妻」の発句である。


美濃の大毫に宛てた手紙に紹介されている。


金沢より三里南に松任と申所、表具
屋の娘に千代と申して美婦生年十七歳。
去年歳暮よりふと発句をはじめ、
あたまからふしぎの名人三越の間是沙汰にて
御座候。先月通がけに寄申候所頃日札に人
越候。附合一折懸御目候。此比題發句入用
事候間稲妻杜若と申題二つ遣候所
行春の尾や其まゝにかきつばた
稲妻の裾をぬらすや水の上
此二句にて外は御察可被成候。…
                   見龍
大毫 様



石川は、雷が多く、金沢の名物となっている。


拙句
がうおん
しんだう
 静かにかよへ
   いねのつま
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