新古今和歌集の部屋

俊成卿女と宮内卿 蔵書


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        選        笠
        人
        歌
        本
        日 情緒纏綿な空気をまとう俊成卿女
と       ン 爽やかで理知的な歌を詠む宮内卿
女    香  ョ 新古今和歌集を彩る二人の才嬢
卿 卿     シ
成 内  藤  ク
俊 宮  近  レ
        コ


ブックカバー裏
新古今時代の女流のうち、後鳥羽院に見出だされて才を誇った二人の女性歌人。伊勢や和泉式部などの女歌の伝統とは異なる題詠の世界に、新たな才能を開花させた歌人。俊成卿女は俊成の子八条院三条の娘だが俊成の養女に入り、歌人としてのデビューは遅かったものの纏綿たる恋の情緒を定家風の巧緻優艶な風にうたい、源師光の娘宮内卿は、若くして没する四年余ではあったが清新な自然詠や恋歌を切れのあるタッチでうたった。新古今和歌集を彩る対立的な二人の個性を見比べたい。


俊成卿女と宮内卿 コレクション日本歌人選 050

著者:近藤 香
初版:2012年11月30日
発行:笠間書院

本文と歌番号は、新編国歌大観などにより、適宜漢字に直して読みやすくした。

俊成卿女 26首
 梅の花
 風かよふ
 恨みずや
 橘の
 大荒木の
 理の
 千々の秋の
 里の名の
 隔てゆく
 今はさは
 古里も
 葛の葉の
 下燃えに
 面影の
 降りにけり
 通ひ来し
 夢かとよ
 人なみに
 巡り逢はむ
 払ひかね
 流れての
 暮れなばと
 干しわびぬ
 馴れ馴れて
 眺むれば
 亡き数に
宮内卿 24首
 かき暗れし
 薄く濃き
 花さそふ
 逢坂や
 柴の戸に
 軒白き
 片枝さす
 思ふこと
 心ある
 月をなほ
 まどろまで
 霜をまつ
 龍田山
 唐錦
 淋しさを
 わが恋は
 落ちつもる
 聞くやいかに
 さてもまた
 津の国の
 問へかしな
 竹の葉に
 時雨つる
 杣人の
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