廿五番
左 藤原敏行朝臣
秋きぬとめにはさやかにみえねども
かぜのをとにぞおどろかれぬる
右 丹後
わすれじななにはの秋のよはのそら
ことうらにすむつきはみるらん(とも)
廿六番
左
あきはぎのはなさきにけりたかさごの
をのへのしかはいまやなくらん
右
おぼつかなみやこにすまぬみやこどり
○とゝふ人にいかゞこた○し
廿七番
左
あけぬとてかへるみちにはこきたれて
あめもなみだもふり○てけれ
右
なにとなくきけばなみだぞ
こぼれける
こけのたもとに
かよふまつか
ぜ
重要文化財 為家本時代不同歌合絵巻
東京国立博物館蔵
名称:為家本時代不同歌合絵
年代世紀:鎌倉時代・14世紀
列品番号:A-19
古今集 秋歌上
秋立つ日よめる
秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる
秋歌上
八月十五夜和歌所歌合に海邊月といふことを
わすれじな難波の秋の夜半の空こと浦にすむ月は見るとも
古今集 秋歌上
これさだのみこの家の歌合せによめる
秋萩の花咲きにけり高砂の尾上の鹿は今や鳴くらむ
羇旅歌
千五百番歌合に
おぼつかな都にすまぬ都鳥こととふ人にいかがこたへし
古今集 恋歌三
寛平の御時きさいの宮の歌合のうた
明けぬとてかへる道にはこきたれて雨も涙も降りそぼちつつ
雑歌下
春日の社の歌合に松風といふことを
なにとなく聞けばなみだぞこぼれぬる苔の袂に通ふ松風
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