新古今和歌集の部屋

前田家本方丈記 富めるを尊み5 姿を恥づる悔いもなし

されはすかたをはつるくひもな

しかてともしけれはおろそかな

れともほゝをあまくす。すへて

かやうのたのしみ人にたいし

ていふにはあらす。わか身ひとつに

とりてむかしといまをなそ

らふるはかりなり。それ三界は

た々こゝろひとつなり。こゝろもし

やすからすは象馬七珍もよしなく

 


(交は)らざれば、姿を恥づる悔ひもなし。

糧乏しければ、おろそかなれども哺々をあまくす。

すべてかやうの楽しみ、人に対して言ふにはあらず。

わが身一つにとりて、昔と今とをなぞらふるばかりなり。

それ三界はただ心一つなり。

心、もしやすからずは、象馬七珍もよしなく

(参考)大福光寺本

ラサレハスカタヲハツルクヰモナシ。

カテトモシケレハヲロソカナル報ヲアマクス。

惣テカヤウノタノシミトメル人ニタイシテイフニハアラス。

ワカ身ヒトツニトリテムカシ今トヲナソラフルハカリナリ。

夫三界ハ只心ヒトツナリ。

心若ヤスカラスハ象馬七珍モヨシナク

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