新古今和歌集の部屋

小倉山百人一首 近代歌人三名家


婦人之論
惣て婦人は心愚にして
賎きやうにいへどもさには
あらず。夫日の本を姫氏國
言事かたじけなくも天照
皇太神宮女神にてわたら
せ給ふによりてなりさあれば
婦人をいやしむべきにあら
ざれども女には人我の相と
いふ事のありて人と我と隔
心あるがゆへなり。天地人と云
て天も地も人も同体の
ものにてさらに隔はなきもの
なり。此道理をよく弁へ何
事も裏表なく真実を本
として偽かざる心なく柔和
ならばなど男子婦人の隔
あらんや
    慎給ふべき事とぞ。
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   藤原定家
近 さみだれの
    月はつれなき
   みやまより
代  ひとりも出ず
    ほとゝぎすかな
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歌  藤原俊成
  いく年の春に
    心をつくし
人       きぬ
   あはれと
      おもへ
三   みよしのゝ花
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   藤原家隆
名  秋の夜の
      月や
   をじまの
     天のはら
家  明けがたちかき
    沖のつり舟
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夏歌
五十首歌奉りし時
さみだれの月はつれなきみ山よりひとりも出づる郭公かな
老若五十首歌合

春歌下
千五百番歌合に春の歌
いくとせの春に心をつくし來ぬあはれと思へみよし野の花
千五百番歌合

秋歌上
和哥所哥合に海邊月を
秋の夜の月やをじまのあまのはら明けがたちかき沖の釣舟
卿相侍臣歌合

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