新古今和歌集の部屋

粘葉本和漢朗詠集 3 漢詩2


雙舞庭前花落處数聲池上月明時 禹錫

鶴歸舊里丁令威之詞可聴龍迎新

儀陶安公之駕在眼 神仙策文 都

飢鼯性躁忩々乳老鶴心閑緩々眠 都

叫漢遥驚孤枕夢和風漫入五絃弾 順



 贈鶴詩 劉禹錫
双び舞ふ庭前花の落つる処。
数声は池に上り月の明らかなる時。

 神仙策  都良香
鶴は旧里に帰る。
丁令威が詞聴いつべし。
龍新儀を迎ふ。
陶安公が駕眼に在り。

 晩春題天台山  都良香
飢鼯性躁しくして忩々として乳す。
老鶴心閑かにして緩々として眠る。

 霜天夜聞鶴声  源順
漢に叫んでは遥かに孤枕の夢を驚かす。
風に和しては漫りに五絃の弾に入る。


瑶臺霜満一聲之玄鶴唳天巴峡

秋深五夜之哀猿叫月 清賦

江従巴峡初成字猿過巫陽始断腸 白

三聲猿後垂郷涙一葉舟中載病身 同

胡鴈一聲秋破商客之夢巴猿三

叫暁霑行人之裳 江相公



 清賦 謝観
瑶台霜満てり。
一声の玄鶴天に唳く。
巴峡秋深し。
五夜の哀猿月に叫ぶ。

 送蕭処士遊黔南 白居易
江は巴峡より初めて字を成す。
猿は巫陽を過ぎて始めて腸を断つ。

 舟夜贈内  白居易
三声の猿の後に郷涙を垂る。
一葉の舟の中に病まうの身を載せたり。

 山水策   大江澄明
胡雁一声、秋商客の夢を破る。
巴猿三叫、暁行人の裳を霑ほす。


一聲鳳管秋驚秦嶺之雲数拍霓

裳暁送緱山之月 連昌宮賦

第一第二絃索々秋風拂松疎韻落

第三第四絃冷々夜鶴憶子篭中

鳴第五絃聲尤掩抑滝水凍咽流

不得 五絃弾


管絃附舞妓
 蓮昌宮賦  公乗憶
一声の鳳管は秋秦嶺の雲を驚かす。
数拍の霓裳は暁緱山の月を送る。

 五絃弾   白居易
第一第二の絃は索々たり、
秋の風松を払ひて疎韻落つ。
第三第四の絃は冷々たり、
夜の鶴子を憶うて籠中に鳴く。
第五の絃の声もつとも掩抑せり、
隴水凍り咽んで流るゝことを得ず。


遺文三十軸々々金玉聲龍門原上

土埋骨不埋名 題故元少尹後集 白

言語巧偸鸚鵡舌文章分得鳳凰毛 元

錦帳暁開雲母殿白珠秋写水精盤 章孝標

昨日山中之木材取於己今日庭前

之花詞慙於人 篤茂


題故元少尹集 白居易
遺文三十軸、軸々に金玉の声あり。
龍門原上の土、骨を埋んで名を埋まず。

 贈薛濤 元稹
言語は巧みに鸚鵡の舌を偸めり。
文章は鳳凰の毛を分ち得たり。

 讃韓侍郎及弟詩 章孝標
錦帳暁に開く雲母の殿、
白珠秋は写す水精の盤。

 雨来花自湿詩序 菅原篤茂
昨日の山中の木、材を己に取る。
今日の庭前の花、詞を人に慙づ。


倭漢朗詠集
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