新古今和歌集の部屋

和歌と実証 宇治からの眺めに関する考察

(ウェッブリブログ 2014年12月18日)

金葉集二奏本、三奏本 巻第九雑歌上

宇治の平等院の主になりて宇治にすみつきてひえの山のかたをながめやりてよめる 忠快法師
宇治川の底の水屑となりながらなほ雲懸かる山ぞ恋しき

という歌がある。

平等院から比叡山の距離は、19,735mとかなりの距離があり、多くの山がその前にあるため、実際に見えるかを検証してみる。

平等院からの主な地点と距離と標高、標高差、視差割合(標高差/距離)は以下の表の通りである。

平等院からの距離と標高、標高差、視差(単位:メートル)
     距離 標高 標高差 タンジェント
平等院     0  17.2   0 0
三室戸     804  25 7.8 0.00970
羽戸山    2162  67.5 50.3 0.02327
黄檗      2702  96 78.8 0.02916
黄檗トンネル 3018  97.1 79.9 0.02647
平尾台    4033  80.4 63.2 0.01567
日野薬師  5124  47.3 30.1 0.00587
醍醐槙の内町 6366 34.6 17.4 0.00273
醍醐天皇陵  7179 39.6 22.4 0.00312
大宅坂の辻町 9282 44 26.8 0.00289
山科本願寺南殿跡 10635 59.6 42.4 0.00399
四宮駅     11518 66.6 49.4 0.00429
一本杉     18384 592 574.8 0.03127
大比叡山山頂 19735 848 830.8 0.04210

視差割合を見ると大比叡山山頂は、0.04210となっており、これより高い場所はない。従って比叡山は見ることができると推察される。

参照文献
国土地理院地図(電子国土Web)

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