新古今和歌集の部屋

西行 白洲正子 蔵書





西行
白洲正子



願はくは花のしたにて春死なん……
伝説化された歌聖、西行の人生を
辿り、その真実を解き明かす

新潮社版



西行の真価は、信じがたい程
の精神力をもって、数奇を貫
いたところにあり、時には虹
のようにはかなく、風のよう
に無常迅速な、人の世のさだ
めを歌ったことにあると私は
思う。
     *
彼は空気のように自由で、無
色透明な人物なのである。し
たがって、とらえどころがな
いばかりか、多くの謎に満ち
ている。
     *
ーー西行の謎は深まるばかり
である。わからないままで、
終わってしまうかも知れない。
それでも本望だと私は思って
いる。わからないことがわか
っただけでも、人生は生きて
みるに足ると信じているから
だ。     (本文より)

「芸術新潮」昭和六十一年四月~六十二年十二月に連載

コメント一覧

jikan314
kunori様
コメントありがとうございます。
蔵書紹介と言っても、私の場合、以前買った、読んだ本を忘れず同じ本を買わない事や、どっかの誰かが書いていたなあ?と言う忘備録にしておりますが、難い本、古本が多いので、小説やエッセイも紹介しようとちょっと志向を変えた所です。
パンフレットの類いまで紹介しようとしておりますが、著作が新しすぎてはっきりと撮してはいけないと気付き、古文字を読む練習もしております。
又ご覧頂ければ幸いです。
拙句
本読んでボーッとしてる五月闇
(もうじき梅雨入りで、外に出にくい季節になりますね)
kunorikunori
西行さん
Jikan様

お元気でいらっしゃいますか?
新しい眼鏡になりましたでしょうか?

羽田空港の本屋さんでこの本を購入。
以来西行さん贔屓です。
ユーモアあふれる方で、なんか可愛い!(笑)
でも、実は深い!
どこを切り取っても、素敵ですね。
jikan314
茉那様
コメントありがとうございます。
大磯の鴫立庵は昔訪れましたが、白洲氏の祖父の隠居所とは知りませんでした。
鶴川の武相荘は行った事は無いので今度訪れようと思います。
西行は、目の前にある情景を詠む所があり、字余りも結構多いです。新古今の最大の撰歌数ですので、定家らの影響の大きさが分かります。
又ご覧頂ければ幸いです。
拙句
かみなりを田のものかはず喜べる
(今雷が鳴り始めました)
茉那
白洲正子
http://blog.goo.ne.jp/hana04yama23/
正子と西行との縁は祖父の隠居所が大磯にあって、その隣に「鴫立沢」のうたにちなんだ「西行庵」が建っていたからだそうですね。

自由に生きることの辛さ、孤独感に共感するものがあったと書いていたのを読んだことがあります。

「武相荘」にも行きました。
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