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新古今和歌集の部屋

前田家本 方丈記 遷都5 頼りありて津の国の今の京に

てつのくにのいまの京にいたる。

ところのありさまをみるにそ

の地ほとせはくて条里をわるに

たらす。きたはやまにそひて

たかくみなみはうみにちかく

てくたれり。なみのをとつねに

かまひすししほかせことには

けし。内裏はやまのなかなれはか

のきのまろとのもかくやとおほえ


 (頼りあり)

て、津の國の今の京に至る。

所の有樣を見るに、その地、ほど狭くて条里を割るに足らず。

北は山に添ひて高く、南は海に近くて下れり。

波の音、常に喧し、潮風、殊に激し。

内裏は山の中なれば、彼の木の丸殿もかくやと覚え 


(参考)大福光寺本 

テツノクニノ今ノ京ニイタレリ

所ノアリサマヲミルニ南ハ海チカクテクタレリ

ナミノヲトツネニカマヒスシクシホ風コトニハケシ

内裏ハ山ノ中ナレハ彼ノ木ノマロトノモカクヤト

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