故郷とおもひな果てそ花櫻かかるみゆきに逢ふ世ありけり 雅 ●
1485 第十六 雜歌上 左衞門家通中將に侍りける時祭の使にて神館にとまりて侍りける曉齋院の女房の中より遣はしける
立ち出づるなごりありあけの月影にいとどかたらふ時鳥かな 定 ●贈答
1516 第十六 雜歌上 能宣朝臣大和國まつちの山近く住みける女のもとに夜更けて罷りて逢はざりけるを恨み侍りければ
たのめこし人をまつちの山の端にさ夜更けしかば月も入りにき 通 能宣集
1575 第十六 雜歌上 題しらず
山河の岩ゆく水もこほりしてひとりくだくる峯の松かぜ 通 ●
1590 第十七 雜歌中 題しらず
しかの蜑の鹽燒く煙風をいたみ立ちはのぼらで山にたなびく 定 万葉集
1626 第十七 雜歌中 能宣朝臣大原野に詣でて侍りけるに山里のいとあやしきに住むべくもあらぬ樣なる人の侍りければいづこわたりよりすむぞなどとひければ
世の中を背きにとては來しかどもなほ憂き事はおほはらの里 有定家雅 能宣集
1700 第十八 雜歌下 題しらず
さざなみや比良山風の海吹けば釣するあまの袖かへる見ゆ 有定家雅 万葉集
1701 第十八 雜歌下 題しらず 白波の寄する渚に世をすぐす海士の子なれば宿もさだめず 有定家雅 和漢朗詠集
1722 第十八 雜歌下 二條院菩提樹院におはしまして後の春昔を思ひ出でて大納言經信參りて侍りける又の日女房の申し遣はしける
いにしへの馴れし雲居を忍ぶとや霞を分けて君たづねけむ 定 栄花物語
1734 第十八 雜歌下 煩ひける人のかく申しければ
長らへむとしも思はぬ露の身のさすがに消えむ事をこそ思へ 通 小馬命婦集
1742 第十八 雜歌下 題しらず
背けどもあめの下をし離れねばいづくにもふる涙なりけり 通 賀茂保憲女集
1769 第十八 雜歌下 題しらず
憂きながらあればある世に故郷の夢をうつつにさましかねつつ 通 ●
1873 第十九 神祇歌 公繼卿公卿勅使にて大神宮に詣でて歸り上り侍りけるに齋宮の女房の中より申し贈りける
うれしさもあはれもいかに答へまし故里人に訪はれましかば 通 ●贈答
1886 第十九 神祇歌 香椎宮の杉をよみ侍りける
ちはやぶる香椎宮の綾杉は神のみそぎに立てるなりけり 有 神祇
1910 第十九 神祇歌 熊野へ詣で侍りしに岩代王子にて人々の名など書き付けさせて暫し侍りしに拝殿の長押に書き付けて侍りし歌
岩代の神は知るらむしるべせよたのむうき世の夢のゆく末 有 ●
1585d 第十六 雜歌上 題しらず
とほくなりちかくなるみの浜ちどり鳴くねにしほのみちひをぞしる ●
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