明月記 建永二年 四月 八日。天晴る。参上の次で、桟敷の壇上に於いて実任僧正に謁す。□恐推参、馬場に参ぜず。家長を以て、自ら嘆く歌十首を召さる。卒爾旅所の間、引見するに能はず。思ひ出すに随ひ、形の如くに書き進む。秉燭以下、帰参す。深更に名謁、還り出づ。