新古今和歌集の部屋

唐詩選画本 送劉判官赴磧西 岑参 蔵書




 
 
 
 
 

  をくるりうはんぐはんがおもむくをせきせいに      しん/\
送 劉 判 官 赴 磧 西   岑 参
くは さん ご ぐはつ こうじんまれなり。見る きみがむまさりて とき事ごとしとりの。
火 山 五 月 行 人 少 看 君 馬 去 疾 如 鳥
と  しの  こうゑい たい はくのにし。かくせい ひとたびうごくこ てんのあかつき。
都 使 行 營 太 白 西 角 聲 一 動 胡 天 暁
西域のくはさんを五月じぶんとをり見れば、たびびとがひとりも通らぬさびしいところじや。いまこなた
はむかふのやうすをしらぬゆへたゞひとりきしやうにむまをとばせてゆかるゝがこなたの
なし。行営のぢんやは太白山のにしでゑびすへちかいところなればこてんのあかつきかたに
どこともなく角をふきあけたらばかなしかうふはじめむまをとぼせたやふではあかまいとなり。
 
 
 劉判官磧西に赴くを送る 岑参
火山五月行人少なり。
看る、君が馬去りて疾きこと鳥の如く。
都使の行営太白の西、
角声一たび動く胡天の暁。
 
意訳
火焔山の辺りへ、五月の暑い時に、わざわざ行く旅人は稀だ。
見れば、君は馬は行く疾く事、鳥の如くだ。
安西大都護府の行営府は、宵の明星より更に西にある。
 
 
※劉判官 劉単と伝えられているが、伝記不明。武威(甘粛省)より磧西に赴任した。
 
※磧西 安西。当時亀茲(現在の庫車(クチャ)市)で、安西大都護府があった。
 
※火山 火焔山で、新疆ウイグル自治区の天山山脈付近にある丘陵でタクラマカン砂漠タリム盆地の北部、トルファン市高昌区の東部に位置する。砂岩が侵食してできた赤い地肌には、炎を思わせる模様ができている。
 
※都使 都護府
 
※太白 金星。宵の明星。太白山とこの本の説もあるが、長安の西の山なので、武威からは東となるので、辻褄が合わない。明けの明星という本もあるが、東から昇る。
 
※角声 軍内で吹かれる角笛の音。
 
 
唐詩選画本 七言絶句 巻第五
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