南秦雪
白居易
往歳曾爲西邑吏 往歳曽て西邑の吏と為なり、
慣從駱口到南秦 駱口より南秦に到るに慣なる。
三時雲冷多飛雪 三時雲冷やかにして多く雪を飛ばし、
二月山寒少有春 二月山寒くして春有ること少なし。
我思舊事猶惆悵 我は旧事を思ひて猶惆悵す。
君作初行定苦辛 君は初行を作して定めて苦辛せん。
仍賴愁猿寒不叫 仍頼（さいはひ）に愁猿寒うして叫ばず
若聞猿叫更愁人 若、猿の叫ぶを聞かば 更に人を愁へしめん
公 任 少し春ある心地こそすれ
清少納言 空寒み花にまがへて散る雪に
中 宮 空寒み花にまがへて散る雪に少し春ある心地こそすれ
一条天皇 少し春ある、白楽天の南秦の雪か？
