十九番
左 小野小町
はなの色はうつりにけりないたづらに
わが身よにふるながめせしまに
右 正三位家隆
したもみぢかつちるやまのゆふしぐれ
ぬれてやしかのひとりなくらん
廿番
左
いろみえでうつろふものは世中の
人のこゝろのはなにぞありける
右
まつのとをおしあけがたの山かぜに
くもゝかからぬつきをみるかな
廿一番
左
あまのすむうらこぐふねのかぢをなみ
よをみつわたるわれぞかなしき
右
ふじのねにけぶりもな○やたちのぼる
うへなきものはおもひなりけり
重要文化財 為家本時代不同歌合絵巻
東京国立博物館蔵
名称:為家本時代不同歌合絵
年代世紀:鎌倉時代・14世紀
列品番号:A-19
古今集 春歌下
花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに
秋歌下
和歌所にてをのこども歌よみ侍りしに
夕鹿といふことを
下紅葉かつ散る山の夕時雨濡れてやひとり鹿の鳴くらむ
※家隆の官位が正三位となっており、承久二年(1220)三月から嘉禎元年(1235)九月までの間に後鳥羽院より撰歌されている。
古今集 恋歌五
色見えでうつろふものは世の中の人の心の花にぞありける
新勅撰集
入道二品親王家に五十首歌よみ侍りけるに
山家月
松の戸をおしあけがたの山風に雲もかからぬ月を見るかな
道助法親王家五十首
後撰集
海人のすむ浦こぐ舟のかぢをなみ世をうみわたる我ぞ悲しき
※「よをみつわたる」と読める。
恋歌二
摂政太政大臣家百首歌合に
富士の嶺の煙もなほぞ立ちのぼるうへなきものはおもひなりけり
※「に煙もな○や」と読める。
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