そのころ横川になにがしそうづとかい
ひていと尊き人すみけりやそぢあまりの
母五十ばかりのいもうとあけりふるき願あり
て初瀬にまうでたり
※手などで見えない部分は想像で記載。
21:14
道 長 暮れの挨拶に参った。
道 長 摂政と、左大臣を辞そうと思う。
藤式部 摂政におなりなってからまだ一年にもなりませぬ。
道 長 摂政まで上っても、俺がやっおっては、世の中何も変わらぬ。
藤式部 はぅ。
藤式部 頼通様に摂政を讓られるので御座いますか?
道 長 ああ。
藤式部 頼通様に、貴方の思いが伝わってますの?
源氏物語 手習
その比、横川に某僧都とか云ひて、いと尊き人住みけり。八十路余りの母、五十ばかりの妹有けり。古き願ありて、長谷に詣でたり。