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新古今和歌集の部屋

三十六歌仙絵 在原業平 画家不明色紙コレクション

 

月や
   あらぬ

春や昔の
   春ならぬ
 我が身一つは

    元の身にして

 

在原業平朝臣 ありわらのなりひら(825~880)
父は阿保親王在五中将とも呼ばれた。六歌仙、三十六歌仙の一人。伊勢物語の主人公。 十二首

春歌下
 題しらず
花にあかぬ歎はいつもせしかども今日の今宵に似る時は無し

哀傷歌
 題しらず
白玉か何ぞと人の問ひしとき露とこたへて消なましものを

羇旅歌
 東の方に罷りけるに淺間の嶽に立つ
 煙の立つを見てよめる
信濃なる淺間の嶽に立つけぶりをちこち人の見やはとがめぬ

羇旅歌
 駿河の國宇都の山に逢へる人につけ
 て京にふみ遣はしける
駿河なる宇都の山邊のうつつにも夢にも人に逢はぬなりけり

戀歌一
 女に遣はしける
春日野の若紫のすりごろもしのぶのみだれかぎり知られず

戀歌一
 題しらず
みるめ刈るかたやいづくぞ棹さしてわれに敎へよ海人の釣舟

戀歌三
 題しらず
思ふには忍ぶる事ぞまけにける逢ふにしかへばさもあらばあれ

戀歌五
 題しらず
出でていにし跡だにいまだ變らぬに誰が通路と今はなるらむ

戀歌五
 題しらず
梅の花香をのみ袖にとどめ置きてわが思ふ人は音づれもせぬ

雜歌中
 題しらず
葦の屋の灘の鹽やき暇なみ黄楊のをぐしもささず來にけり

雜歌中
 題しらず
晴るる夜の星か河邊の螢かもわが住む方に海人のたく火か

雜歌中
 五月の晦に富士の山の雪白く降
 れるを見てよみ侍りける
時知らぬ山は富士の嶺いつとてか鹿の子まだらに雪の降るらむ

 

令和5年12月15日 壱/八

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