新古今和歌集の部屋

読癖入清濁付伊勢物語 一段初冠、二段雨後朝 蔵書

 

 

かすがの

  さと

 

むかし、男、うゐかうふりして、ならの京、かすがの里にしるよし

して、かりにいにけり。其さとに、いとなまめいたる女、はらからすみ
                  ふるさと
けり。此男かいま見てげり。おもほえず、古里に、いとはしたなくて

有ければ、こゝちまどひにけり。男のきたりける、かりぎぬのすそを
きり うた かき
切て、哥を書てやる。其男、しのぶずりの、かりぎぬをなん、きたりける
新古今   わかむらさき
  かすがのゝ若紫のすりごろもしのぶのみだれかぎりしられず

と、なんおひ付て、いひやりける。ついでおもしろきことゞもや、おもひけん
古今
  みちのくのしのぶもぢずりたれゆへにみだれそめにし我ならなくに

といふ哥の心ばへなり。むかし人はかくいちはやきみやびをなんしける

むかし、男、有けり。ならの京ははなれ、此京は、人の家まださだ

まらざりける時に、西の京に女有けり。其女、世人にはまされりけり。

其人、かたちよりは、心なんまさりたりける。ひとりのみもあらざりけらし。

それを、かのまめ男、うち物がたらひて、かへりきて、いかゞおもひけん、

時はやよひのついたち、あめそぼぶるにやりける
古今
  おきもせずねもせでよるをあかしては、春の物とてながめくらしつ

 

 

新古今和歌集卷第十一 戀歌一
 女に遣はしける     在原業平朝臣

読み:かすがののわかむらさきのすりごろもしのぶのみだれかぎりしられず 隠

意味:春日野の若い紫で摺った衣のような美しい貴方を拝見して、この信夫もじ摺の衣のように忍心でとても乱れております。

備考:伊勢物語 一段、古今和歌六帖

 

コメント一覧

jikan314
@kunorikunori 色んな説が有ります。
それにしても寒いです。体調管理には十分ご注意を。
kunorikunori
そちらも謎なのですね。
ご返事、ありがとうございました!

ふしぎな言葉に思えたので、もじ摺り、勉強になりました。
jikan314
@kunorikunori どんな染め物か?と言うのが伝わっておりません。草木染だとは分かりますね。わざわざあんな大きな石では染めないとは思います。
拙句
かぜに舞ふ落ち葉の中でみだれ髪
jikan314
@kunorikunori 心の隙間に、業平が入り込んだ。かも知れませんね。基経も高子も共に傍流。良房が基経が養子にならなければと言う事ですね。
芥川も、女の子を背負って、弓、箭内は持てんなあ。高槻までは遠いしと思った次第です。
身にしむる心の隙間きたの風
kunorikunori
https://midorimori.exblog.jp/5995980/

もじずり…ネジバナ?

この草で紋様を摺って創ったのでしょか?
それで、もじ摺り?
kunorikunori
Jikan様

なるほど。自分の体験をそのままではなくより面白く改変しつつ書いていたか、
または、業平のことを噂として知っていた人物が書いたのか?

謎に包まれていますね。

今調べてみて、藤原高子は好きだった父を亡くし、藤原淑子とも心が通わず、孤独だったのではないでしょうか?
そこで、父には若いけれど、兄のような存在だった業平に救いを求めていたとか…と、好き勝手に想像してみました。
jikan314
@kunorikunori 昔、福島市へ出張した際、時間が出来たので信夫もじずり石を見に行きましたが、同行した同僚はただの石なので不満顔でした。
ただの石に興味を持つ私が変な人なのですね。(笑)
伊勢は3日に1回を目標に読んで行きますので御覧頂ければ嬉しいです。
拙句
信夫山外に行きたい冬籠り
jikan314
@kunorikunori kunorikunori様
コメントと情報有難うございます。
1日2~3の記事を書いていましたが、12月から1日1記事を目標に夕方に書く事としましたので、又御来室頂ければ嬉しいです。
源融は、822年生まれ。在原業平は、825年生まれ。3歳しか違わないです。ここで、この初冠の虚構を発見しました。融が陸奥の按察使になったのは864年42歳の時で、業平は39歳。本歌取したとすれば初冠の年齢15歳前後とは関係の無い時期になります。
又藤原高子842年生まれ。17歳の歳の差。無分別に幼い高子を盗み出した芥川は、若気の至りと言うには歳をとりすぎていますね。
拙句
しのぶ草若気の至り夜の露
kunorikunori
しつれいしました。信夫とは福島県。上はもじ摺りの方です。笑

信夫郡信夫村
https://geoshape.ex.nii.ac.jp/city/resource/07B0080012.html
kunorikunori
Jikan様

信夫と忍
で、信夫とは?を調べてみました。

https://bqspot.com/tohoku/fukushima/682

https://seethefun.net/%E6%96%87%E7%B3%BB%E5%AD%A6%E5%95%8F/22889/

この紋様の事でしょうかね。。。


業平と源融は同時代の人物のようです。
jikan314
Shanxi様
コメント嬉しいです。
私の場合、先ず字を書いて、分からなければ○を書き、次に文字を大きくする時に読み返して単語になっていない誤字を探し修正しています。
所が、俳諧連歌では、俳語と呼ばれる特殊用語が有り、意味も不明、前後のつながりも不明と、由良の戸?状態なので、読むのをあきらめました。その点、伊勢物語は何度も読んでいるので、その点楽です。
私の読んでいる皆さんのblogにある、今日はどこどこへ行き何歩歩いたよ、今日はこの練習したよと同じく、今日も読む練習したよ、こんな素敵な歌が有るよ、と言うものです。
又、御覧頂ければ幸いです。
拙句
虫食ひの落葉を透かし青き空
3948Thankyoufoureight
Jikan314先生。

先生この文字はわたしもチャレンジして観ましたが読めません。
直ぐ挫折してしまいます。

文字の解読は精神の強さの証明ですよね。

先生ありがとうございます。

これからもお身体気をつけて教えてくださいね。

(*^-゜)v Thanks!

🌹
Shanxi.
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