春の日
秋
背戸の畑なすひ黄はみてきり/\す 且藁
貧家の玉祭
玉まつり柱にむかふ夕かな 越人
厂きゝてまた一寐入する夜かな 雨桐
雲折/\人をやすむる月見哉 芭蕉
山寺に米つくほとの月夜哉 越人
瓦ふく家も面白や秋の月 野水
八嶋をかける屏風の繪をみて
具足着た顔のみ多し月見舟 仝
待恋
こぬ殿を唐黍高し見おろさん 荷兮
閑居増戀
秋ひとり琴柱はづれて寐ぬ夜かな 荷兮
朝㒵はすゑ一りんに成にけり 舟泉
秋
せとのはたなすびきばみてきりぎりす 且藁(蟋蟀:秋)
貧家の玉祭
たままつりはしらにむかふゆふべかな 越人(盂蘭盆会:秋)
かりききてまたひとねいりするよかな 雨桐(雁:秋)
くもをりをりひとをやすむるつきみかな 芭蕉(月見:秋)
やまでらにこめつくほどのつきよかな 越人(月夜:秋)
かはらふくやもおもしろやあきのつき 野水(秋の月:秋)
八嶋をかける屏風の絵をみて
ぐそくきたかほのみおほしつきみぶね 野水(月見舟:秋)
待恋
こぬとのをとうきびたかしみおろさん 荷兮(唐黍:秋)
閑居増恋
あきひとりことぢはづれてねぬよかな 荷兮(秋:秋)
あさがほはすゑいちりんになりにけり 舟泉(朝顔:秋)
※雲折/\ 山家集 月歌あまたよみけるに 西行
なかなかに時々雲のかかるこそ月をもてなす飾りなりけれ
なかなかに曇ると見えて晴るる夜の月は光のそふここちする
を踏まえる。
※八嶋 香川県の源平の屋島合戦の戦場