新古今和歌集の部屋

俳諧七部集 春の日 秋他 蔵書

春の日

 

 

 

 

背戸の畑なすひ黄はみてきり/\す  且藁

貧家の玉祭

玉まつり柱にむかふ夕かな      越人

厂きゝてまた一寐入する夜かな    雨桐

雲折/\人をやすむる月見哉     芭蕉

山寺に米つくほとの月夜哉      越人

瓦ふく家も面白や秋の月       野水

八嶋をかける屏風の繪をみて

具足着た顔のみ多し月見舟      仝

待恋

こぬ殿を唐黍高し見おろさん     荷兮

閑居増戀

秋ひとり琴柱はづれて寐ぬ夜かな   荷兮

朝㒵はすゑ一りんに成にけり     舟泉

 

 

 秋
せとのはたなすびきばみてきりぎりす   且藁(蟋蟀:秋)
 貧家の玉祭
たままつりはしらにむかふゆふべかな   越人(盂蘭盆会:秋)
かりききてまたひとねいりするよかな   雨桐(雁:秋)
くもをりをりひとをやすむるつきみかな  芭蕉(月見:秋)
やまでらにこめつくほどのつきよかな   越人(月夜:秋)
かはらふくやもおもしろやあきのつき   野水(秋の月:秋)
 八嶋をかける屏風の絵をみて
ぐそくきたかほのみおほしつきみぶね   野水(月見舟:秋)
 待恋
こぬとのをとうきびたかしみおろさん   荷兮(唐黍:秋)
 閑居増恋
あきひとりことぢはづれてねぬよかな   荷兮(秋:秋)
あさがほはすゑいちりんになりにけり   舟泉(朝顔:秋)

 

※雲折/\ 山家集 月歌あまたよみけるに 西行
なかなかに時々雲のかかるこそ月をもてなす飾りなりけれ
なかなかに曇ると見えて晴るる夜の月は光のそふここちする
を踏まえる。

※八嶋 香川県の源平の屋島合戦の戦場

コメント一覧

jikan314
@s1504 秋ひとり 秋の夜長にあの人を思って掻き鳴らす琴の琴柱が外れて、音と共に心が乱れてしまい、眠れなくなってしまいました
朝顔は 最初に咲いた朝顔からかなり時間が経って、最後の一輪になってしまいました。明日からは更に寂しい秋が深まります
jikan314
コメント有難うございます。
これは発句集部分なので、かなり難しいです。自己解釈を御容赦頂ければいくつかを。
玉まつり お盆で先祖供養をしたいが貧乏で仏壇も無く、柱に掛けた南無阿弥陀仏の文字に向かう夕べだな
雁ききて 真夜中に初雁の声で目覚めた。初声を聞けたので又一寝入りするかなと思う今夜だな
雲折々 雲から名月が出て、人々が月を見上げて鑑賞し、雲に隠れて一休みして月が出て来るのを待つのも乙な月見だな
瓦ふく あばら家で漏り来る月光も趣きが有るが、瓦ふいている途中の屋根の隙間からの秋の月光も良いなあ
こぬ殿を すっかり御無沙汰となった殿を待っているのだが、唐黍が高く見渡せ無いので、高い所に登って見渡せる所で待ちましょう
s1504
掛け合いが面白いですね。
解説してもらえると、楽しいです。
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