十
さか木
万治三年本十巻 国立国会図書館蔵
金泥表紙
十六行 行間に説明あり。
濁点、句読点あり。
青表紙本三条西家本に、多くの点で一致していた。
六条御息所は、葵上も亡くなり、源氏を離れて娘の秋好中宮が、伊勢斎宮として伊勢下向に添いて行こうとしている。嵯峨野の野宮を訪れた源氏は、六条御息所と逢い、別れを告げられる。
桐壺院は、病気がちだったが、朱雀院に東宮と源氏を重んずるよう遺言して、崩御する。
涼闇の間、源氏は雲林院に篭っている。
諒闇の新年、権勢は右大臣に移るが、源氏は尚侍となった朧月夜と危うい密会をする。
藤壺は、源氏に再び関係を持ってしまったのを厭い、桐壺の一周忌に落飾する。
すっかり昇進の目がなくなった源氏と頭中将は、詩作などの遊びに興じる。
病と称して、退出した朧月夜は、源氏と逢瀬を重ねるが、右大臣に見つかってしまう。