新古今和歌集の部屋

光る君へ 十訓抄 惟規辞世の歌

(39)とだえぬ絆 - 大河ドラマ「光る君へ」

(39)とだえぬ絆 - 大河ドラマ「光る君へ」

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大河ドラマ「光る君へ」 - NHK

十訓抄 巻第一 人に惠を施すべき事 四十五

藤原惟規は世のすきものなり。父の越後守為時にともなひて、かの國へ下りけるほどに、重くわづらひけるが、

 都にも戀しき人のあまたあれば

 なをこのたびはいかむとぞ思ふ

とよみたりけれども、いとゞ限りにのみ見えければ、父の沙汰にて、ある山寺より、知識の僧をよびたりけるが、中有の旅のありさま、心細きやうなどいひて、

「中有とは、いかなる所ぞ」と病人問ひければ、

「夕暮の空に、広き野に行きいでたるやうにて、知れる人もなくて、

ただひとり、心細くまかりありくなり。倶舎には、

 欲住前路無資糧  前路に往かむとするも、資糧なく

 求住中間無所止  中間に住せむことを求むるも、止まるところなし

と申したる」と答ふるを聞きて、

「その野には、嵐にたぐふ紅葉、風になびく尾花がもとに、松虫、鈴虫鳴くにや。さだにもあらば、なにか苦しからむ」といふ。

これを聞きて、あいなく、心づきなくおぼえければ、僧、逃げ走り、逃げにけり。

この歌のはての「ふ」文字をば、え書かざりけるを、さながら都へもてかへり、親どもいかに哀れにかなしかりけむ。

【「光る君へ」人物紹介】藤原 惟規 ◆ 高杉 真宙 - 大河ドラマ「光る君へ」

【「光る君へ」人物紹介】藤原 惟規 ◆ 高杉 真宙 - 大河ドラマ「光る君へ」

【大河ドラマ「光る君へ」公式】まひろの弟 藤原 惟規 <高杉 真宙さん>をご紹介しています。

大河ドラマ「光る君へ」 - NHK

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