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新古今和歌集の部屋

歌論 無名抄 周防内侍家事

又、周防内侍、

われさへ軒の忍草

とよめるいへは、冷泉堀川の北と西との隅也。


※われさへ軒の

金葉集 雑歌上

家を人にはなちて立つとて、柱にかきつけける

住み侘びて我さへのきの忍草しのぶかた/"\繁き宿かな

周防内侍集

もろともにありしは、はらからなどもみなゝくなりて、心ぼそくおぼえて、すみうきたびところにわたりてほとけなどくやうするに、くさなどもしげくみえしかば

すみわびてわれさへのきのしのぶ草しのぶるかたのしげきやどかな

今鏡

まだそのいゑはのこりて、そのうたも侍る也。見たる人の語り侍りし。いとあはれにゆかしく。そのいゑはかみわたりにや。いづことかや。れいぜい院ほりかわのにしときたのすみなるところとぞ人は申し。をはしまして御らんずべき事ぞかし。

○ 関連 山家集

周防内侍、我さへ軒のと書き付けける古郷にて、人々思ひをのべけるに

いにしへはついゐし宿もあるものを何をか忍ぶしるしにはせむ

(参考)

地名から現在の場所を推定すると、夷川通(冷泉通)と堀川通の交差する場所の西、北となり、現在の堀川通りの中と推察される。

 

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