「津軽海峡横断の情報はありますか?」と聞かれました。もちろんシーカヤックで渡る場合です。あなたはどう答えますか?。
12年前にも同じようなことを聞かれたことがあります。ジェフと言う、イギリス人シーカヤッカーからでした。そのとき僕はサーフカヤックしかやっておらず、シーカヤックの知識はゼロでした。あの時は「津軽海峡の流れについて専門家を捜して欲しい」と言われました。そして東北在住のセイラーでもあり、シーカヤックのガイドでもあるAさんを紹介、相談に乗ってもらいながら渡っていました。
今回は、一応シーカヤッカーなので、自分の言葉で答えようと思います。まず、津軽海峡をシーカヤックで渡ったカヤッカーを洗い出し、彼らから話を聞いたり、報告書を読んで知識を深めるといいでしょう。
なぜ、日本一周をする人が津軽海峡を気にするかと言うと、日本のメイン4島を外周する場合、4島間を渡らないといけないのですが、この時唯一、海流を横断しなければいけないのが、本州ー北海道間の津軽海峡になります。実は、海流の影響を受ける場所と言うのは他にもあります。例えば岬越えで、潮岬、室戸岬、足摺岬は黒潮に洗われてる時がある。でも、黒潮の流れの中を横断するわけじゃない。
南西諸島の島渡りは、黒潮のど真ん中をいくけど、横断や遡ることはなく、北上していくかぎりアシストだ。そういった意味で、津軽海峡は珍しい場所だ。
で、こういう図を見ると、ワクワクする人、あなたは変人です。ですが、流れの中を漕ぐのが好きな人は、ぱっと見て20近いシュミレーションを一瞬で頭に浮かんだと思う。僕は、正直、なんて逃げ道の多いトライなんだと思った(沈脱さえしなければ、安全度は高い)。潮流の影響も加わると思うんだけど、大潮は避けるとして、ど真ん中は6ノットはでるでしょう。するとこの地形だと、ある狭い場所にパワーが集まり、2m近いスタンディングウエーブ、波頭は割れてる(ブレイク)と思う。でも、相当遠くから瀬のような音がすると思う。同時に、反転流が出来るところも多いから、上手く使わない手はないでしょう。難所を超えれば後は楽です。
で、僕はまだちゃんと調べてないんですけど、ここ、ずっと東流ですよね。反転はないと思います。それを思うと、伊豆諸島の島渡りは、何とも難しいと、いまさらながら思います。なんせ、行ってみないとどっちに流れてるか分からないし、最悪7ノットの早さですし、弾き返されて最悪コースを辿ると100km漕がないと帰って来れませんから。
そういった意味で、伊豆諸島の渡りは、流れの中の漕ぎの最高の練習場と言えるのではないでしょうか。伊豆の塩島さんが以前そんのようなことを言っていましたが、納得です。
自然が発するメッセージに素直に耳を傾けるなら人間はたぶん大きな過ちを犯さないと私は思います。 ラインホルト・メスナー
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