雪中とラジオの相性がいいことを知った。
しんしんと降る雪。さらさらとタープの上を滑っていく。時々家の屋根からドサーとまとめて落ちる雪塊。テントの中は温かい。いや、正確にいうと、寝袋の中は温かい。テントの中は吐く息も白い(多分寒い)。
温かいコーヒーを飲みながら、ラジオのダイヤルを合わせ、アンテナをタイの方向にチューニング。聞こえた聞こえた、小島アナウンサーのナレーション。
さっとテント内が南国に。バンコクの風が吹いた。あのまとわり付くような湿気を含んだ空気。一時間前には、台湾から台北の風が届いていた。もうすぐ春節、タクシーの料金が20%上乗せされるから高〜い、なんてやってる。
一発で周りの雰囲気を別世界に持ち込めるラジオ。雪中の寒さを吹き飛ばし、とてもいい雰囲気を運んできてくれる。雪中キャンプとラジオ(短波放送)は相性がいいようだ。
悩みは自分と向き合う練習 藤田一照