みなさん、こんにちは。
前回、TV commercial の音量の話をしましたが、今回は、A to Z Mysteriesという、アルファベットのAからZまで、それぞれのアルファベットを使ったタイトルが付けられたミステリー小説(例えば、2作目はThe Bald Bandit、3作目はThe Canary Caperという風に)の本の1作目、The Absent Authorより"loud"を使った表現をご紹介します♪
このシリーズは、DinkとJoshという2人の男の子とRuth Roseという女の子の仲良し3人組が主人公の1話完結型のスタイルの小説です。そのシリーズ第1作目のThe Absent Authorは、Dinkが出した手紙をきっかけに彼の大好きな作家が彼らの街の本屋さんにサイン会にやってくるというところから始まります。使われている英語の表現も話の展開も面白いので、詳しい内容はぜひ実際に読んで楽しんで頂きたいと思いますが、今回紹介する表現は、一緒にサイン会に行く約束をしていたRuth RoseをDinkがJoshと2人で迎えに行くシーンに登場します。ここからが引用です
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Dink pressed the doorbell.
Ruth Rose showed up at the door.
As usual, she was dressed all in one color. Today it was purple. She wore purple coveralls over a purple shirt and had on purple running shoes. A purple baseball cap kept her black curls out of her face.
"Hey," she said. Then she turned around and screamed into the house.
"THE GUYS ARE HERE, MOM. I'M LEAVING!"
Dink and Josh covered their ears.
"Geez, Ruth Rose," Josh said. "I don't know what's louder, your outfit or your voice."
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さて、いかがでしょう?
今回の引用文はRuth Roseが初めて登場するシーンでもありますので、前半はRuth Roseの服装について書かれています。
"As usual, she was dressed all in one color."
as usual は「いつも通り」という意味を表す、覚えておくと便利な決まり表現です。
この続きの文章で色の話が出てきますが、”be dressed in 色” で「~色の服を着ている」という意味になります。
状態を表すbe動詞と共に使って、”be in 色”の形にしても同じことが伝えられます。
"someone in 色"とすると「~色の服を着た人」となり、例えば I see a man in green.で「緑色の服を着た男性が見えます」という意味になります。
"in"が身に着けていることを表しますので、色の代わりに、具体的な服を持ってきて、例えば、I see a man in a suit. (スーツを着た男の人が見えます)という風に言うこともできます。
”Did you see a woman in a red hat?”はどのような意味になるでしょう?
「赤い帽子を着た女の人を見ましたか」という意味ですね。
Ruth Roseの話に戻ります
"As usual, she was dressed all in one color."
"all"は「全部、すべて」の意味ですから、なんと、Ruth Rose はいつも全身1色でまとめたコーディネートをしているようです。
日によって、その色は色々変わるようで、 ”Today it was purple.” だそうです。("today”からその日によって色が変わることが分かります)
ところで、「今日は紫です」という時、ついつい日本語と英語をそのまま置き換えて、Today is purple.と言いたくなるかもしれませんが、ここでの主題は「色」ですので、Today it is purple.と"it"を入れて表されているところも大事ですね。
「今日は暑い」と伝えたい時なども Today is hot. とするより、暑さ寒さを伝える時の主語の基本、”it”を入れて、"Today it is hot."と表すほうがより自然な英語になります。
もう一度、Ruth Roseの服装の話の全文を見てみます♪
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As usual, she was dressed all in one color. Today it was purple. She wore purple coveralls over a purple shirt and had on purple running shoes. A purple baseball cap kept her black curls out of her face.
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・coveralls = オーバーオールのこと
・have on clothes/shoes = 服/靴を身に着けている、履いている
・A purple baseball cap kept her black curls out of her face.
➝keep ~ out of ・・・ = ~が・・・に入らないようにする (髪の毛の話をしていますので、”帽子で髪が顔にかからないようにしている”)
さて、ここから先が今回の本題です。
「Dinkたちが迎えに来たので、行ってくるよ~」と家の中にいるお母さんに向かってRuth Roseが叫びます。
そのシーンをもう一度見てみます
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"Hey," she said. Then she turned around and screamed into the house.
"THE GUYS ARE HERE, MOM. I'M LEAVING!"
Dink and Josh covered their ears.
"Geez, Ruth Rose," Josh said. "I don't know what's louder, your outfit or your voice."
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Ruth Roseには服装の他にもう一つ特徴があって、それが文字で表されているのですが、それは一体何でしょう?
正解は「声が大きいこと」です。
それを表すために、Ruth Roseが叫んだ言葉がすべて大文字で書かれています。
さらには、”Dink and Josh covered their ears.” その声が大きすぎて、DinkとJoshが耳をふさいでいます。
その後のJoshのコメントが今回の一番のポイントです。
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"Geez, Ruth Rose," Josh said. "I don't know what's louder, your outfit or your voice."
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出だしの”Geez”は驚いたり落胆した時に出る言葉です。文脈に合わせて、何となくこう言っているのじゃないかな?と想像して理解するといいです。ここでは、「うわ~」とか「あぁ~」とかそのような感じで、Joshの驚きとやれやれという気持ちが表されています。
そして、"I don't know what's louder"と続いていきます。
loudは「音が大きい」ことを表す形容詞ですが、ここで比べられているのが、"your outfit(=clothes)"と "your voice"です。
声(voice)がloudなのは分かりますが、outfit(=clothes)がloudとは?
実は、loudには服装や色彩などが「派手な、けばけばしい」という意味もあります。オックスフォード現代英英辞典の定義では”too bright and lacking good taste”と説明されています。lacking good taste(趣に欠ける)とは面白いですね。
声の大きさと服の派手さをどちらに対しても使えるloudを使って、そのどちらがloudか分からないと言っています。
日本語にも音以外に対しても何か不快なものを表す時に「うるさい」という言葉が使われることありますので、それに似た感じかもしれません。ですので、"I don't know what's louder, your outfit or your voice."をあえて訳すと、「君の声か服装か、どちらのほうが騒々しいか、僕はわからないよ」というようなことを言っていますが、この英文は、日本語に訳さず、英語のまま理解(直読直解)するほうが、より生き生きとJoshのコメントの面白さを味わうことができます。
レッスンで、生徒のみなさんの理解を確かめさせて頂くため、大事なポイントとなる文章などの訳をして頂くことがありますが、最終的には、レッスンを通して、より多くの方に英語の文章を原文のまま理解してもらえるようになって頂きたいなと思いながら授業を行わせて頂いています。
先日、ある生徒の方が、レッスンで色々と洋書や記事を読む練習を重ねるうちに、会社で読む英文が前よりずっと読みやすくなったとおっしゃっていました (Iさん、嬉しいコメントをありがとうございました。)
英語を英語のまま、自分で理解できるようになると世界が広がります!
ちなみに、直読直解できるようになるとリスニング力もUPします
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