「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

読んで為になる本「そうだったのか日本サッカー」byスコラムック

2012年06月27日 22時06分52秒 | インポート

池袋のジュンク堂から買い込んだ本の中にスコラマガジン社のスコラムック「そうだったのか日本サッカー」という本があります。



店頭で本をめくり良さそうなので買った本です。



読んで為になったので紹介したい。気に入ったら皆さんもぜひ。



第一章は「日本代表は本当に強くなっているのか」、3人のジャーナリストによる座談会形式です。



まずザッケローニの評価、日本のサポーターもメディアも厳しくないことがわかって、日本のサッカーをなめてかかってきているのではないかと指摘しています。緊張感が緩んでいるという指摘です。怖いことです。だから3人は最後まで(W杯に出ることを前提としてW杯終了まで)契約するなんてもってのほかだと言っています。



現実にはW杯出場を逃せば解任ですが、それでは遅すぎるわけで、あくまで緊張感を持ってW杯予選を戦ってもらうためには契約を2年にしておくべきだという主張です。



次に話題になったのは、南アフリカ大会で日本がベスト16になったことによる世界的な意味合いです。



世界のサッカーを見渡すと、欧州、南米を除いて、特にアフリカを中心に優秀な選手が出ていないことがあるため、相対的に日本選手を筆頭に東アジアの選手に需要が出てきたというのです。



その意味では、南アフリカW杯でベスト16になったことが、日本の選手は大丈夫だというお墨付きになったというのです。グループリーグで負けていれば「日本人選手はホントに大丈夫なのか」という疑心暗鬼が消えないというのです。



だとすれば、難しい中でベスト16に勝ち上がった岡田監督は評価されてしかるべきです。3人はほとんど岡田監督を評価していませんでしたが。



第二章は、「このままでいいのかJリーグ」です。3人が指摘していたのは、Jリーグが各チームを救うと言っていながら、いまの仕組みは、Jリーグ本部だけが潤う仕組みだということです。J2だって選手自ら営業活動してお客さんを呼んでいるのに、全部大元(おおもと=Jリーグ本部)が取っちゃう、と憤慨しています。それでは、まるで国の中央官僚と同じです。国民から税金や年金掛金をとって、それで自分たちが官僚貴族になっている。Jリーグも「スポーツ貴族」だということです。



なぜJリーグが官僚貴族と同じになったのか、3人の指摘によれば大学を出てからJリーガーになって、セカンドキャリアで大学時代の人脈がモノを言っているというのです。Jリーグが始まってしばらくは、チームの運営母体となった企業の先輩後輩の関係でリーグ運営に緊張感があったが、学閥の先輩後輩の関係が復活しているというのです。



Jリーグの各チームはといえば、社長は親会社から出向してきた定年間近の人だから、年金生活を前にして長期的ビジョンや将来を見据えた考えてクラブ経営などできるわけがなく、Jリーグ本部の言うなりだというわけです。



そのような認識から、次に第二章の裏企画とでもいいますか「サッカー情報通ライターによる覆面座談会」に突入します。



題して「夢もお金もないJリーグには未来もない」



まず、のっけから「Jリーグ事務局は権益たけは守ろうとする、いかにもお役所体質」と切り捨てます。具体的な例として「レフェリーのミスジャッジにしても選手の規律問題にしても世間があまり問題にしなければいいという、事なかれ主義が横行して、いかにもお役所的なんだよ」



Jリーグが頑なに守ろうとしているスタジアムのキャパシティの問題にも目を向けるべきだと指摘しています。むしろ、キャパが1万人でも専用スタジアムであることのほうが重要だというわけです。同感です。ピッチの回りにトラックがあるスタジアムで観ているサポーターの皆さん、いかに不利な条件でお金を払っているか、もっと声を大にすべきです。私ぐらいのじいちゃんになると、そういうスタジアムには誘われても行く気がしません。



日産スタジアムでクラブW杯をやっていても、何をやっているかよくわからないスタジアムだし、だいたい人口8000人ぐらいの町がJ2に参戦したいという時に15000人収容ものスタジアムが必要なのかというわけです。



そんなこんなで第三章です。テーマは「テレビも専門誌も何を言っているのかわからない 解説者のサッカー用語もわかりづらい」



まず「スイーパーやリベロという呼び方がなくなったと思ったらボランチが出てきて、最近はアンカーだ。ポゼッション、バイタルエリア、アタッキングサードと、世間に広まっている用語かどうか確認もしないで、どんどん新しい言葉を使いだす。『これ知らないとサッカー通じゃないぞ』ぐらいな感じて使っている」



同感です。「そんなヤツこそマスターベーションだって、わかってんのか」と言ってやりたいですが、治らないでしょう。××は死ななきゃ治らない。そういう言葉の使い方はホントはテレビなりメディアが注意すべきなんですが、それがねぇ。



いろいろと読み応え満載でした。



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