世間は、連日リオ五輪のメダル獲得ニュースで一色です。すごい活躍ですね。我れらがサッカー五輪代表は終戦となりました。なでしこジャパンも出ていませんので、ことサッカーに関してはホントに終わった感じです。
思い起こせば4年前、ロンドン五輪サッカーでは、男女とも最大試合数6試合まで勝ち残り、合計12試合を応援できる幸せを味わいました。当時、その幸福感をこの欄に書き込んだことを思い出します。
こればかりは、いつもいつも同じ経験ができるわけではありません。W杯優勝、ロンドン五輪銀メダルという金字塔を打ち立てた「なでしこジャパン」でさえもリオ五輪出場権を逃すことがある世界ですから。
今日は、その「なでしこジャパン」キャプテンを澤穂希選手から引き継いでリオ五輪アジア予選を戦った宮間あや選手の所属チーム「湯郷ベル」について書きたいと思います。
というのは、標題にも書きましたように「湯郷ベル」に一体何があったのか、真相を誰か教えて欲しい気持ちだからです。
最新のニュースによれば、宮間、福元という「なでしこジャパン」経験者をはじめ主力4選手が退団意向を示していた件については、宮間選手が残留、他の3選手が退団という形で収束したといいます。
地元では、2001年のチーム立ち上げ以来、チームの顔として人気があった宮間、福元の両選手が別々の道を歩むことになったことを惜しむ声が大きいといいます。さもありなんです。
しかし、現在「なでしこリーグBグループ」でダントツの最下位に沈むチームは、監督が不在状態、まさにチーム崩壊といっても過言ではない危機に瀕しています。
どうも、チームとしておかしくなったのは今年からではないようです。2014年シーズン当初にも大量の選手退団がありました。このシーズンは、10チーム総当たりによる1次リーグ「レギュラーシリーズ」を優勝し初のタイトルを獲得したこともあり、チームの不協和音が表面化しなかったようですが、昨シーズンの成績不振から一挙におかしくなったようです。
今シーズン、9月からの後半戦でよほどの巻き返しを図らないと2部落ちになるでしょう。2005年になでしこリーグ1部に復帰して以来、10シーズンにわたってリーグ上位をキープしてきた小さなクラブ。
私は、2013年4月9日付けの当欄で、宮間選手と湯郷ベルについて取り上げたことがあります。
その中で私は「湯郷ベルというチームが鹿島アントラーズと同じ道を歩むべきチームではないかと感じたのです。少なくとも宮間あや選手は、あと20年後には「湯郷ベル」にジーコイズムならぬ「あやイズム」を根付かせた選手として湯郷ベルの歴史にその名を刻む選手だと直感しているのです。」と書きました。
ただ、こうも書きました。「ただ、湯郷ベルが鹿島アントラーズになれる素地は、今のところありません。けれども湯郷ベルには、鹿島アントラーズをめざして欲しいのです。なぜなら、湯郷ベルに宮間あや選手がいるからです。」
そして、読者の皆さんにお知恵をお借りしたいとこう呼びかけました。「そこで全国の皆さんに相談です。湯郷ベルが鹿島アントラーズをめざすために何が必要か、一緒に考えていただき、一つのムーヴメントにできないかと思うのです。」
いま私は後悔しています。そのあとも、絶えず湯郷ベルをウォッチし続け、クラブ経営、フロント、現場といったチーム状況をよく追いかけておくべきだったと。
事ここに至っては、2部落ちぐらいは覚悟しなければならないでしょう。けれども、それで世の中が終わるわけではありません。Jリーグスタート時からのメンバーでも浦和、広島、G大阪といったチームがJ2陥落を経験しながら、立て直してJ1の優勝争いにからむチームによみがえっています。
大事なことは、それらJ1チームが1年で返り咲いていることです。ズルズルと2部が定位置にならないよう、1シーズンで復帰するミッションを達成するということが何より重要です。そのためにはクラブ経営、フロント、現場、このいずれもが同じベクトルを向けるかどうかです。
それがどうなのか知りたいのです。どうか読者の皆さん、「湯郷ベルに何があったのか」誰か教えてください。クラブ経営陣はどうだったのか、フロント(よく言われるゼネラルマネジャーなどのチーム編成陣)はどうだったのか、そして監督・コーチ陣と選手たちといった現場はどうだったのか、
ネットで情報を検索すると、岡山地域の新聞「山陽新聞」あたりが、結構詳しく把握していそうな感じですが、細かい記事までは入手できていません。サッカー専門誌の中には追跡取材している誌があるのかも知れません。
それらの手がかりでも結構ですから、何か教えていただければと思います。
日本のサッカー風土の中で、鹿島のように決して大都会とはいえない地域のクラブがリーグを代表するクラブになっていることと同じように、岡山・美作という小さな街の「湯郷ベル」というクラブが「なでしこ」を代表するクラブになって欲しいのです。
なぜなら、長い歴史を通じてリーグを代表するクラブになるためには、必ず、そのチームに息づくフィソロフィー(哲学とか理念といったもの)が不可欠だからです。
2013年4月9日にも書き込みましたように、鹿島にジーコイズムというフィソロフィーが根付いているように、湯郷ベルにも「あやイズム」といったものが根付く可能性を信じたいのです。
おそらく、いまの湯郷ベルに足りないのは、ジーコイズムをクラブ全体として年月を超えて浸透させようとした、鹿島のような一貫したクラブ経営であり、その経営方針にそってチーム編成を続けてきた鹿島のようなフロントの姿勢でしょう。
今年後半から来年一杯がクラブとしての正念場だと思います。どうか、その後20年、30年につながるクラブにしていけるよう立て直してください。
全国の読者の皆さんから、いろいろな手がかりを教えていただき、この欄からも、応援の気持ちと何らかの提案を発信していきたいと思います。