10月のインターナショナルマッチウィーク、カナダ、チュニジアを一蹴した形の日本代表に関連して、代表に招集されない選手も含めて欧州各国リーグでプレーしている日本人選手の数をあげていた二つの記事を目にしました。
一つは、現在ベトナム代表監督のトルシエ氏が中国紙のインタビューに応じた記事、もう一つは、昨日の書き込みに引用させていただいた杉山茂樹氏の記事です。トルシエ氏は200人超プレーしているという数字をあげ、杉山氏は100人に迫ろうとしているという数字をあげていました。
ここでは、どちらの数字が正しいのかを論ずるのではなく、結局のところ、いまや欧州でプレーする日本人選手は3桁を数える規模になってきたという点を述べたいと思います。
トルシエ氏、杉山氏がどういうシチュエーションであげたのか、その部分を引用してご紹介しておきます。
【トルシエ氏】
「私が日本代表を指揮していた時、欧州5大リーグでプレーしていたのは中田英寿(日韓W杯時はパルマ所属)のみだった。今の中国は欧州クラブでプレーする選手は何人いる? 一方で、私の知る限り欧州クラブでプレーする日本人選手は200人を超えている。今の日本がなぜドイツ、スペインを破ることができたのか。特に9月に敵地でドイツに4-1で快勝したのをみんな不思議に思うだろうが、私は理解できる。
【杉山茂樹氏】
(代表試合への)招集辞退は欧州では普通の出来事である。辞退を言い出しやすい環境が整っている。他方、日本代表史において代表招集を辞退した選手は何人もいない。この世界で40年以上ライターをしているが記憶にない。
(中略)代表サッカーとクラブサッカーは拮抗した関係になかった。元日本代表。この肩書きの有無で引退後の人生は大きく左右された。日本代表選手にはブランド価値があった。
欧州諸国は必ずしもそうではない。どちらかと言えばクラブチームありきだ。重視されるのは代表キャップ数よりCL出場回数になる。欧州組の数が100人に迫ろうとしている日本も、代表キャップ数という国内基準ではなく、CL出場回数という国際基準に、おのずと価値観は移行していくものと思われる。もうすでに代表選手というブランド価値は低下しはじめているように見える。最近の代表チームの成績とは裏腹に、だ。
トルシエ氏は「日本代表が強くなった理由」として欧州組の数が飛躍的に増えたことをあげ、杉山氏は「これだけ欧州組が増えれば、日本も選手のブランド価値が、代表キャップ数という国内基準ではなく、CL出場回数という国際基準に、次第に移っていくに違いない」という裏付けとして欧州組の増加をあげています。
杉山氏によれば「今回招集された選手のうち、欧州カップ戦(CL、EL)出場組は8人、欠席した4人を含めると計12人を数える。ここに来て大幅に数を増やしている。」とのことで、単に欧州でプレーしているだけにとどまらず、欧州でプレーする全世界のサッカー選手の大きな目標である「欧州カップ戦(CL、EL)出場」を果たしている日本人選手が、もはや1人、2人ではなく2桁規模になっていることも指摘しています。
つまり3桁もの日本人選手が欧州でプレーするようになると「欧州カップ戦(CL、EL)出場」組も、おのずと2桁規模になるというわけです。いかに欧州での日本人選手の価値が高まっているかということです。
もう一つ、欧州でプレーする日本人選手の増加は、今回急遽追加招集された奥抜侃二(かんじ)選手のようなケースも、これから普通になっていくことを示唆しています。当・夢追い人は、発表記事を読むまで奥抜侃二選手のことを知りませんでした。
10月12日のweb版スポルティーバが「三笘薫に替わって追加召集された『奥抜侃志』って何者だ?」と見出しを打ってくれましたので読みました。
J2の大宮で4シーズン半ほどプレーしていたようですが、なんとポーランドリーグのチーム(グールニク・ザブジェ)からオファーを受け2022年夏移籍した選手というのです。そこでのプレーが今度はブンデスリーガ二部、ニュルンベルクの目に留まり、今シーズン加入して早速結果も出していることで、今回、追加招集ということになったのだそうです。
この選手のキャリアが、いまや欧州でプレーすることの可能性の広がりを物語っているといえます。なにぶん出だしがポーランドリーグです。それでも欧州5大リーグのスカウトたちが欧州各国リーグの選手たちに常に目を光らせています。知名度の低い国のリーグであっても、欧州であればスカウトの目に留まりやすいということです。
もっとも、奥抜選手がいた大宮にポーランドからオファーが届いたというのですから、Jリーグでプレーする選手たちも世界各国のスカウトから見られている時代になったのかも知れません。
ともあれ奥抜選手は、J2大宮⇒ポーランドリーグ⇒ブンデスリーガ2部という経路でプレーを続け、今回、代表招集に至ったということで、これから、このようなキャリアでステップアップをしていく選手が珍しくなくなるのかも知れません。
今回、この書き込みをするため、ネット検索で情報確認をしていましたらウィキペディアに「ヨーロッパのサッカーリーグに所属する日本人選手一覧」という項目を見つけました。この項目の凄いところは、過去から現在までの欧州各国リーグ(プレミアリーグからサンマリノ、ジブラルタルといったところまですべて)の所属選手を網羅していることです。ぜひ一度ご覧になっては・・・・。トルシエ氏も、この項目を見ていたのかも・・。
「日本サッカーの裾野の広がり」という言い方をよくします。今回のような状況を呼ぶとすれば、さしづめ「欧州における日本サッカーの裾野の広がり」ということになるのでしょうか。なんのことやらよくわからない表現ですが、そう言わざるを得ないように思います。
一つは、現在ベトナム代表監督のトルシエ氏が中国紙のインタビューに応じた記事、もう一つは、昨日の書き込みに引用させていただいた杉山茂樹氏の記事です。トルシエ氏は200人超プレーしているという数字をあげ、杉山氏は100人に迫ろうとしているという数字をあげていました。
ここでは、どちらの数字が正しいのかを論ずるのではなく、結局のところ、いまや欧州でプレーする日本人選手は3桁を数える規模になってきたという点を述べたいと思います。
トルシエ氏、杉山氏がどういうシチュエーションであげたのか、その部分を引用してご紹介しておきます。
【トルシエ氏】
「私が日本代表を指揮していた時、欧州5大リーグでプレーしていたのは中田英寿(日韓W杯時はパルマ所属)のみだった。今の中国は欧州クラブでプレーする選手は何人いる? 一方で、私の知る限り欧州クラブでプレーする日本人選手は200人を超えている。今の日本がなぜドイツ、スペインを破ることができたのか。特に9月に敵地でドイツに4-1で快勝したのをみんな不思議に思うだろうが、私は理解できる。
【杉山茂樹氏】
(代表試合への)招集辞退は欧州では普通の出来事である。辞退を言い出しやすい環境が整っている。他方、日本代表史において代表招集を辞退した選手は何人もいない。この世界で40年以上ライターをしているが記憶にない。
(中略)代表サッカーとクラブサッカーは拮抗した関係になかった。元日本代表。この肩書きの有無で引退後の人生は大きく左右された。日本代表選手にはブランド価値があった。
欧州諸国は必ずしもそうではない。どちらかと言えばクラブチームありきだ。重視されるのは代表キャップ数よりCL出場回数になる。欧州組の数が100人に迫ろうとしている日本も、代表キャップ数という国内基準ではなく、CL出場回数という国際基準に、おのずと価値観は移行していくものと思われる。もうすでに代表選手というブランド価値は低下しはじめているように見える。最近の代表チームの成績とは裏腹に、だ。
トルシエ氏は「日本代表が強くなった理由」として欧州組の数が飛躍的に増えたことをあげ、杉山氏は「これだけ欧州組が増えれば、日本も選手のブランド価値が、代表キャップ数という国内基準ではなく、CL出場回数という国際基準に、次第に移っていくに違いない」という裏付けとして欧州組の増加をあげています。
杉山氏によれば「今回招集された選手のうち、欧州カップ戦(CL、EL)出場組は8人、欠席した4人を含めると計12人を数える。ここに来て大幅に数を増やしている。」とのことで、単に欧州でプレーしているだけにとどまらず、欧州でプレーする全世界のサッカー選手の大きな目標である「欧州カップ戦(CL、EL)出場」を果たしている日本人選手が、もはや1人、2人ではなく2桁規模になっていることも指摘しています。
つまり3桁もの日本人選手が欧州でプレーするようになると「欧州カップ戦(CL、EL)出場」組も、おのずと2桁規模になるというわけです。いかに欧州での日本人選手の価値が高まっているかということです。
もう一つ、欧州でプレーする日本人選手の増加は、今回急遽追加招集された奥抜侃二(かんじ)選手のようなケースも、これから普通になっていくことを示唆しています。当・夢追い人は、発表記事を読むまで奥抜侃二選手のことを知りませんでした。
10月12日のweb版スポルティーバが「三笘薫に替わって追加召集された『奥抜侃志』って何者だ?」と見出しを打ってくれましたので読みました。
J2の大宮で4シーズン半ほどプレーしていたようですが、なんとポーランドリーグのチーム(グールニク・ザブジェ)からオファーを受け2022年夏移籍した選手というのです。そこでのプレーが今度はブンデスリーガ二部、ニュルンベルクの目に留まり、今シーズン加入して早速結果も出していることで、今回、追加招集ということになったのだそうです。
この選手のキャリアが、いまや欧州でプレーすることの可能性の広がりを物語っているといえます。なにぶん出だしがポーランドリーグです。それでも欧州5大リーグのスカウトたちが欧州各国リーグの選手たちに常に目を光らせています。知名度の低い国のリーグであっても、欧州であればスカウトの目に留まりやすいということです。
もっとも、奥抜選手がいた大宮にポーランドからオファーが届いたというのですから、Jリーグでプレーする選手たちも世界各国のスカウトから見られている時代になったのかも知れません。
ともあれ奥抜選手は、J2大宮⇒ポーランドリーグ⇒ブンデスリーガ2部という経路でプレーを続け、今回、代表招集に至ったということで、これから、このようなキャリアでステップアップをしていく選手が珍しくなくなるのかも知れません。
今回、この書き込みをするため、ネット検索で情報確認をしていましたらウィキペディアに「ヨーロッパのサッカーリーグに所属する日本人選手一覧」という項目を見つけました。この項目の凄いところは、過去から現在までの欧州各国リーグ(プレミアリーグからサンマリノ、ジブラルタルといったところまですべて)の所属選手を網羅していることです。ぜひ一度ご覧になっては・・・・。トルシエ氏も、この項目を見ていたのかも・・。
「日本サッカーの裾野の広がり」という言い方をよくします。今回のような状況を呼ぶとすれば、さしづめ「欧州における日本サッカーの裾野の広がり」ということになるのでしょうか。なんのことやらよくわからない表現ですが、そう言わざるを得ないように思います。
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