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■■■■■■■■■日本の原子力発電事情■■■■■■■■■
(東北地方太平洋沖地震特集・第2弾)
●日本列島を襲った東北地方太平洋沖地震では、大地震でも大丈夫の
はずの原発に「炉心溶融」が起こった。
40年に及ぶ原発先進国日本にとって、想定外の深刻な事態である。
●日本は、既に世界の原発540基の50%以上の実績を持つが、
今回の結果では、次世代発電方式として進めてきた日本の原子力発電
政策に大きなひびが入りかねない。
しかも世界的な石油資源の供給不安から「世界の原発ルネッサンス」
が進行中だが、今回の事故で世界の原発建設に急ブレーキがかかる事
態が憂慮される。
既にタイの様に計画中の原発建設を再検討したいとする国も出てきた。
今回の原発事故の制御作業には、米国、仏蘭西、ロシア、韓国など原発
先進各国の期待と注目が集まるが、日本の国益のためにも何とか上手く
終結して欲しいと祈るばかりだ。
●日本では現在55基の商用原子力発電所が稼働中だが、10年後には
17基が運転暦40年をむかえる。それぞれ平均60%の稼働率で、日
本の電力需要の約2割強を賄う。
●石油危機後、原子力と太陽光による無炭素への転換を目指して、原子力
発言は飛躍的に伸びてきた。しかし核分裂の熱エネルギーで発電する原発
は、核兵器への危惧から非核三原則を標榜する日本としては、新興国への
輸出に慎重であるべきとする声もある。
●ここにきて「自然エネルギー社会の実現こそ、21世紀の人類の課題」と
する識者の声も多い。
●米国のウォールストリート・ジャーナルは、東京電力福島第1発電所の防
災計画は全く不十分で極めて杜撰だったと伝えている。
事故対応のために発電所内に配備されていたのは、衛星電話1台と担架1台だ
ったと伝えている。同紙が入手した防災計画書は、比較的小規模の事故を想
定したもので、大きな損傷を受けた場合の記載はなかったという。
そして「防災対策は機能しなかった。これほど大規模な災害は想定していな
かった」という東京電力元幹部の話を伝えている。(AFP)
どうあれ資源と環境の視点から、安全な原発と安定した電力供給と、危機管
理体制について再検証が進むことを期待して止まい。
(資料)
●「世界の原子力発電書所の稼動ランキング」
(順位) (国名) (稼動原発数) (建設中) (計画中)
第1位 米国 104基 1基 9基
第2位 仏蘭西 59基 1基
第3位 日本 55基 2基 12基
第4位 ロシア 32基 10基 14基
第5位 韓国 20基 6基 2基
第6位 英国 19基 4基
第7位 カナダ 18基
第8位 ドイツ 17基
第8位 インド 17基 6基 8基
第10位 ウクライナ 15基 2基
建設中 中国 26基 10基
台湾 2基 6基
計画中 ベトナム 2基
インドネシア 4基
タイ 2基
●「主要国の電源別の電力量の構成」(%)
(国名) (石炭) (石油)(天然ガス)(原子力) (水力) (その他)
米国 49,0 1,8 21,2 19,4 5,8 2,9
仏蘭西 5,0 1,1 3,9 77,9 10,3 1,8
日本 27,7 13,8 25,8 23,5 6,6 2,6
中国 80,9 1,0 1,2 1,9 14,6 0,3
ロシア 16,8 1,7 48,0 15,8 17,5 0,2
(出所:電気事業連合会&世界原子力協会2010)