■■■■■■■■■■孤老時代をどう生きるか■■■■■■■■■■
■■「孤老時代の幕明け」
🔵「戦後80年」「昭和100年」の幕開けが、後1ヶ月後に始まる。
特に戦後の昭和を乗り継いだ戦後世代にとっては,言いようのない自負
と懐かしさが交錯する。
・昭和から平成へ、
・そして令和へ、
上り坂の昭和日本が、30年の長きに亙り平成で低迷する。
直近の令和は、中国来の難病コロナの蔓延で, 期せずして落ち込むが
このところの株安に誘導されて、やっと愁眉を開く。
平均株価38,000円回復も,その証左とみていい。しかし 経済、
特に消費を支える世代、特に高齢世代が, 今後どう推移するのか。
迫りくる年末を控えて, 専門家筋の情報を整理してお伝えしたい。
🔵最近報道によると,新石破内閣は発足すれど, 高齢者問題では, 国民
民主党提案の103問題以外、政策的な課題は伝わってこない。最近の
高齢者を主題にした評論雑誌の「項目課題」に目をやると、
「初めての90歳」
「行き先任せの人生航路」
「だが毎日,明るく生きるしかない」(但し「しか」は暗い表現)
「40台が65歳定年の頃,男性3人に1人,女性の4人に1人は独身に」
「お一人さま仕様の社会がやってくる」
「独身者が都心に集中」
「高齢就業者数65歳〜69歳は,過去最多の50,8%,70〜74歳は33,5%」
「人口減でも世帯数は増加」
「生産年齢人口約14%減」
「80歳以上10人に1人」
「百歳以上最多の5万4397人」
「日本の65歳以上の高齢者人口3623万人」
「日本の75歳以上の高齢者人口2005万人」
「日本の80歳以上の高齢者人口1259万人」
世の中は,何もかも、デジタル化によるデータ主流の時代である。
デジタルデバイドの高齢者も,世の中は,些かも待ってくれない。
スマホが生活周辺を席巻し,活字文化が日々後退する。
YouTubeなる俗に映像的紙芝居情報が,テレでに打ってかわる。いつ
のまにか,周辺情報が埋め尽くす. 時にどれが正しい情報なのか戸惑う
事も多い。
🔵私の住まう都心のマンションの管理組合でも、輪番制で選ばれた
理事会の現役理事と高齢理事の理事会では、現役理事は,PCを操って
議題を進めようとする。一方,高齢理事の方は,議事の資料をフアイル
したホオルダ―に目を落としながらの奮戦である。
しかし若手は、デジタルデバイドの高齢者には些かも同情しない。
と言うよりもデジタル機器活用は、何かにつけ普通の事としている。
ここでも、老若混合時代の葛藤が続く。
🔵かって18年前、作家の渡辺淳一さんは「シニア世代の予備軍65
歳以上の人達を「プラチナ世代」と呼んで「常に好奇心イッパい。
年がいのない人、不良老年になって欲しい」と述べていた。
ところが、その直後から普及し始めたデジタル文化に,この世代がつい
ていけず脱落、いまでは「デジタル,デバイド」という言葉のもと不良
老人どころか「孤老難民」を標榜せざるを得なくなっている。
しかし確かにデジタルが,端境の時期にある事は,よくわかる。
だけど最新半導体を基盤とする情報機器が,新しい顧客ニーズを開拓
しながら日進月歩で、止まるところを知らない。本来デジタルに弱
い高齢者は、定年後に急速普及したスマホ文化に溶け込める筈はな
い。生きる限りデジタル格差は、まだまだ広がって行く。
先ほどのマンション理事会ではないが、此処に住まう人には 企業の
退職者も多く,経営管理にも長けているにも関わらず、最近のデジ
タルによる情報管理ともなると,若い人に近づくことさえ 難しいと
言う。なかには デジタルについて行けず、老後の生きる自信を喪失
した高齢者が意外に多い。
🔵そんななか、 リンダクラットン博士の著書「LIFE SHIFT ]
(人生百年時代の人生の行動戦略)が、日本高齢者の百年時代の幕
開けを告げた。
そこで,政府は、人生百歳時代の到来を視野に、
・高齢者の定年延長、
・高齢者世代のデジタル化に対応したスキリングの促進
・スキルを持つ高齢者の再雇用、
など、意欲ある高齢者人材の育成を積極的に進めるという。
急速に移り変わるデジタル世情の変化に対応して,高齢者自身の意識
の変革が求められる所以だ。
さまざまな事が危惧される,戦後80年を目前にした歳末でもある。
■■「平均寿命が過去最高」
🔵ODCDは、世界諸国の最新「幸福度ランキング」を公開した。
国連調査による「人生満足度世界一2023」では,消費税25%とい
うノールウエィやデンマークという北欧の国々が最高位に選ばれた。
残念ながら日本は,タイを下回る54位だった。
この調査の評価の基準はーーーーーー
・人口当たりのGDP
・社会的支援
・健康な平均寿命
・人生の選択をする自由
・性の平等性
・社会の腐敗度
以上6項目にわたるアンケート調査によって分析統計され、ランキン
グされるという。
・「平均寿命世界第1位」と
・「人生満足度第54位」
この結果を,私たちはどう読み取ったらいいのか当面の課題といえる。
🔵世界先進国の日本の54位という順位は、調査項目に対して常に
控えめな回答を選ぶ国民性を反映した結果だという説もある。
また専門家によると,日本と米国の所得と幸福感の関係性については、
両国とも所得が高い人ほど幸福感をつよく抱く傾向があるというが、
所得の高い人と低い人の幸福感のギャップ(開き)は,米国より日本
の方が、はるかに大きいとされる。
そして日本では,このところ幅広いはずの中間層が縮小の傾向にあり、
貧富の差が拡大しつつあるという。
🔵私の近辺でも 巷の高齢者について最近こんな話をよく聞く。
・何かにつけ「文句を言う高齢者」が増えた。しかし争うに
足らない人が多い。
・自分が悪くても「ごめん」が言えない高齢者が増えた。
これは経済的に困窮した下流老人の「間違った個の主張]の表れ
ではないかと言われているが、どちらにしても困った現象といえる。
出典・ニッセイ経済研究所
■■[近未来への足音]
🔵最近、話題の「未来の年表」河合雅司著, 講談社現代新書)によ
ると,日本では高齢者が増えて少子化が進むことによって,さまざまな
新しい社会問題が起きてくると警告している。
その主な社会問題を列記すると、---」
・2024年「3人に1人,65 歳以上の超高齢化へ」老老介護へ。
・2025年 「大阪万国博、開催予定」
・2026年「認知症患者が700万人規模に」国民病に。
・2027年「輸血用血液が不足」
・2030年「深刻な火葬場不足」死亡者数168万人、霊園も不足。
・2040年「地方自治体の半数が消滅の危機」
・2042年「高齢者人口4000万人に」勤労世代1200万人減少。
・2065年「外国人が無人の国土を占拠」 居住区域20%が無人。
🔵恐ろしいほど 驚愕な問題が提起されているが, 総じて目前の問題
が多い。幸福度調査と併せて考えたところ,先行き改善の回答は,出て
いない。それほど少子高齢化は、日本にとって大きな. しかも難しい
問題であることがわかってきた。
今まで私どもは何かにつけ,文句は言うが、このような社会問題には、
できるだけ関わることを避けてきた節がある。いわゆる 甘えの構造
体質である。
しかしもう,それは許されない局面にある。改めて,一人一人の自助努
力が求められている所以だ。
例えば、
・政治に対する、取り組みとか
・自分の健康に対する取り組みとか、
・医療や医薬(無駄)に対する取り組みとか
・自分の住まう地域社会に対する取り組みとか、
全ての面で,私たち高齢者は,お上の年金に頼るせいか, なにかと無職、
無所属、無関心で過ごしてきた趣がある。
先ずは私たちの生活から「無」を返上して,前向きに生きることを考
えたい。高齢者の前向きの行動を集積するとすれば,それは巨大な社
会的集積パワーになること間違いない。
■■「健康こそ最大の命題」
🔵いままで殆どの高齢者が, 定年後は,気楽に暮らせるものと考えて
きた節がある。しかし物価の高騰や、感染症が蔓延する中で,高齢者
の平均寿命は,益々のびる傾向にある。
出典・厚生労働省
しかし現実は、健康で寿命年齢に達する高齢者は,全体の2割にとど
まる。殆どは途中で病に倒れたり,介護生活を送ることになる。
健康でこそ,長命の楽しみがあるが、これでは,平均寿命がいくら伸び
たとしても、本人はもとより家族も大変だ。
しかも医療費や介護費など社会保障費用が拡大して,政府予算の歳出
を圧迫しかねない。
日本の国の社会保障費用を見ておこう。
🔵国の年間総予算約110兆円の約34%は,社会保障費として年金
や医療費や介護費に計上されている、しかも高齢者の増加で,毎年 約
1兆円増えるという。
「いかに健康で寿命を全うするか」老後の暮らしは、定年後高齢者の
最大の課題であると同時に,国の命題でもある。
一度,病に倒れると,気楽な老後の夢など,一瞬にして吹っ飛んでしまう。
「健康」は、余後の高齢者にとって最大のスローガン(課題)といえる
所以だ。
出典:ニッセイ経済研究所
■■「高齢化の行方」
🔵いま団塊世代の高齢化で, 日本の労働環境は ,大きく変わろうとし
ている。
・就業者人口は6,868万人(2020年)🔵
・男性3,823万人(昨年対比5万人減)、
・女性3,044万人(14万人減)
因みに日本の人口は、🔵
・日本の人口1億2522万人
・高齢者65歳以上3640万人
・75歳以上1880万人(女性1138万人、男性742万人)
・80歳以上1206万人(女性 765万人、男性441万人)
・90歳以上 259万人(女性 192万人、男性 67万人)
・百歳以上 8万人(女性 7万人、男性 1万人)
⚫️ 高齢化は、21世紀における世界的なトレンドだ。
特に日本は世界の最先端を走る「高齢化」の先進国でもある。
・2012年ごろ「65歳以上1人に対して、20~64歳は2.4人」
・2025年には「1人の現役世代が1人の高齢者を支える」という厳し
い現実が待っている。
⚫️俗に65歳以上の高齢者のはなしも、往々にして「シルバー」と言
われたり「シニア」と言われたり「高齢者」と呼ばれてきた。
その呼称についてーー年齢的な取り決めがあるのか、調べてみた。
「シルバー」と「高齢者」の違いは、
実質的には、ないまでも一般的なイメージでは微妙な差があり、
「シルバー」は「高齢者」よりも若干若く「シニア」よりもやや年齢
が上に見られる傾向がある。
イメージからくる呼称の序列は、ーーーーーー
・1)「シニア」
・2)「シルバー」
・3)「高齢者」
・4)「老人」ということになる。
⚫️WHOと国連による高齢化の定義 は、
・65歳以上人口の割合が7%超で「高齢化社会」
・65歳以上人口の割合が14%超で「高齢社会」
・65歳以上人口の割合が21%超で「超高齢社会」
●高齢化率 = (老年人口(高齢者人口)÷ 総人口 × 100 )
⚫️65歳以上人口の比率」のランキング ※2020年🔵
・1位 日本:28.5%
・2位 イタリア:24.0%
・3位 ドイツ:22.7%
・4位 フランス:20.8%
・5位 スウェーデン:20.7%
⚫️65歳以上人口の比率」のランキング(アジア) ※2020年 🔵
・1位 日本:28.5% ●
・2位 香港:18.2%
・3位 韓国:15.8%
・4位 シンガポール:15.1% ・5位 タイ:13.0%
●2020年の時点で、日本は大国の中国を抜いて、世界No.1の高齢化
比率となっていることが分かる。
●WHO(世界保健機構)この定義で2020年の時点で「超高齢化社会」
へ突入するのは、日本、イタリア、ドイツの3国。
さらに「高齢社会」となるとすべての国々となってしまう。
■「シニアの社会生活環境の変化」
●シニアの住まう日本の社会生活環境は、今後、急速な悪化が
予測される。日本の高齢化は、現在、世界第1位の状況にある。
これを最悪とみるか転機とみるかは別として、当面する大きな政治
課題である事には違いない。ただ当事者たる私たち日本のシニアが、
のほほんと過ごす譯にはいかない現実がある。
まず私達が当事者意識を持つだけでも、必ず前進に繋がると考える。
断捨離を通じて生活意識を変革したり、古いものを捨て 新しいもの
を買うことによる消費行動への参加は、大きな経済効果を誘発する。
何しろ確たる仕事を持たないとはいえ3500万人というマンパワーは
巨大である。
●「シニア消費市場の重要性」
日本のシニア世代の消費額は、年間約120兆円とされており,日本
経済にも非常に大きな存在だ。消費活動を支えるシニア世代がアク
ティブである事が、経済全体にも好影響をもたらしている。
特に旅行、健康、趣味、教育など幅広い分野での消費が見込まれる。
俗に「シニア市場」は、企業にとって成長の機会であり,新たな商品、
サービスの開発がもとめられる所以だ。
●「貴方もアクティブシニアになりませんか」
総じて高齢者は、おひとり様を含めて閉じこもりがち、いま意識を変
える事で、全く別のアクティブシニアの世界が待っている。
まず打つて出る事、
・リカレント(再学習)よし、
・ボランティアよし、
・スポーツよし。
社会はシニアの参加を待っている。(出典:日本SPセンター)
●日本の高齢化は、驚異的なスピードで進む。
・(日本の総人口に占める一人暮らしの割合は16%)
・(6人に1人が一人暮らし)
・(80歳以上の単身女性世帯223万人)
いまシニアのお一人様が増えている、日本全体で800万人近い
という。誰が終末をみとるのか心配だ。
・●少子化による人口減少は続く。
人口減少による20年後の日本は?
🔵日本の高齢化は、驚異的なスピードで進む。
特に日本の高齢者人口は、団塊ジュニアが65歳以上になる2040年に
4000万人のピークを迎える。現役世代1,5人が高齢者1人を支える
事のなる。
膨大な社会保障費を抱えながら持続的に発展していくための、新しい知恵が
あらゆる世代に求められる所以だ。
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