【 これは、昨年の9月2日に投稿した法話です。会社関係の方々とのやりとりは、非常に教訓となる話が多いので、この度もその1例を 】
ある社長さんから「様々な場面でその人の力量を図りたい時、どういう方法がありますか」と。「拙僧がよく使う方法は、その分野に対して『知っている事は何ですか』と聞かず『わからない事、疑問に思っている事は何ですか』と聞いておりますね」「なるほど。そういう事か。その問い掛けの方が、有識の度合いがわかるか」「はい。『わからないところ』までは『わかっている』という事です。されば、その先から指導していけばいいって事、ですね。全てがそうとは思いませんが、目処は立ちますよね」と。
この会話の法話を読まれた読者が「少し理解が出来ません。住職、もう少しわかりやすく」と。「まあ、例えばですよ、子育てにしても、料理にしても『わからないところを質問してくれる』と聞くと、その質問してくる内容によって、常日頃、どの程度、子育てをしているか、どの程度、料理をしているか、結構にわかるもんですよ」と。「そうか、知識が豊富な人の質問は、深い所を聞いてきますもんね。知識が乏しい人の質問は、どうしても浅い質問になりますもんね。そういう事か。納得しました」と。
別の読者社長が「知識度合いを知るに『この職種で何がわからないか』を質問するのか。就職面接の数分でそれを確かめるは難しいですね。前もってレポートを出してもらった方が、良き人材を確保出来そうだな。その後も、指導し易いし」と。「レポートを出す方も、本当にこの会社に入りたいなら、どこまで力があるかを知ってもらいたいですもんね。
【上記の法話を投稿した同じ頃、次の様な法話も投稿を】
お笑いの『おぎやはぎ』の矢作さんは、お笑いの世界に入る前に就職を。外資系企業の面接の時「君は、英語は出来るのか」と問われ、出来ないのに「出来る」と受け答えを。対し、社長さんが「期日までに、これを仕上げてこい」と英文の書類を手渡し、採用。『ルビーの指環』の俳優、寺尾聰さんは、黒沢映画に出たいが為に、監督から「馬に乗れるか」と問われ、乗れないのに「乗れます」と答え、採用。当時、この法話を読んだ若者達から「なんだ、ハッタリでも通用するのか」と、返信メールが。対し、彼らに「そうじゃないでしょ。社長さんも、黒澤明監督も、海千山千にて、その目は節穴ではない。『この男なら、仕上げてくるだろう』と見込まれたのではないかな。見込まれる様な人間だったのではないのかな、矢作さんも、寺尾さんも」と。
次回の投稿法話は、9月25日になります。